英語の比較表現では比較級と最上級があり、「日本よりアメリカの方が人口が多い」や「彼はこの会社内で一番の営業成績である」など、何かを比べる時に使える文法です。
中学英語でも比較級・最上級を学びますが、形容詞の変化ルールや比較級で使う「than」の意味など、しっかり覚えておらず今ひとつ分からないという方もいるでしょう。
など、一通りおさえておけば英会話でも自然に使えるようになりますので、分かりやすく解説いたします!
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日本語でも何か対象を基準に比較をしたり、とある集団・集まりの中から一番なのは?と言うこともあるかと思いますが、基準となるのは「大きい」や「一生懸命に」など形容詞や副詞で比べますね。
・私は彼より背が高い(比較級)
→I am taller than him.
・彼はこのチームの中で最も一生懸命仕事をします(最上級)
→He works hardest in this team.
上例文のように、形容詞や名詞について比較級・最上級で表現する場合には形が変わります。「AはBより大きい」とか「Aは〜の中で一番」などの使い方ができますね。
なお比較については英語で「comparison」と言い、比較する(動詞:compare)から変化した名詞です。
英語の比較表現には比較級と最上級の2種類があり、特徴として比較の基準になる形容詞や副詞の形が変わります。
それぞれの比較表現について、一通り確認してみましょう。
形容詞や副詞、それぞれ元々の形について(tall/bigなど)原級と言いますが、原級にer/estをつけることで比較級・最上級を表現します。
形容詞の原級 | 比較級 | 最上級 |
big | bigger | biggest |
new | newer | newest |
slow | slower | slowest |
副詞の原級 | 比較級 | 最上級 |
fast | faster | fastest |
hard | harder | hardest |
以下の「more/most」を使う形容詞・副詞のパターンと比較していますが、単語が短く1〜2音節であれば語尾に「er/est」をつける変化になりますね。
そのほか、語尾にそのまま「er/est」をつける以外のルールがあり、
などの変化もありますので、覚えておくといいでしょう。
文字数が多かったり、単語内に3音節以上ある形容詞・副詞については「er/est」の変化はせず、比較級に「more」・最上級に「most」をつけることで比較表現をします。
形容詞の原級 | 比較級 | 最上級 |
famous | more famous | most famous |
important | more important | most important |
副詞の原級 | 比較級 | 最上級 |
quietly | more quietly | most quietly |
seriously | more seriously | most seriously |
基準としては音節の数以外に、「quietly」など語尾が「ly」で終わるものや、「careful」「tired」など「ful」「ed」などの語尾も「more~/most~」の形で比較級・最上級を言いますね。
それと、比較級・最上級では以下の通り例外パターンもあります。「er/est」や「more/most」とは別の不規則変化ですね。
原級 | 比較級 | 最上級 |
good(良い) | better | best |
well(上手) | better | best |
many/much(多くの) | more | most |
little(少ない) | less | least |
His idea is better than mine.(彼のアイデアは私のより良いです)
→goodの比較級:better
I have the least money in my family.(私は家族の中で最も所持金が少ないです)
→littleの最上級:least
また、形容詞や副詞のパターンについて、以下の関連記事でも詳細解説していますのでご参考までに!
形容詞や副詞の比較級・最上級変化についてご紹介しましたが、今度は比較表現を使う文章全体・作り方について以下でまとめました。比較級から説明しますと、ポイントなるのは比較対象を示す「than」の使い方ですね。
「AはBよりも優れている」など、比べている対象は何かを示すことが基本的です。英語では「than(〜より)」が使えますが、than以下では名詞・単語だけになることが多いですね。
I’m taller than my brother.(兄よりも私の方が背が高いです)
→「than my brother is tall」が本来の完全文
This bike runs faster than my bike.(このバイクは私のよりも早く走ります)
→「than my bike runs」が本来の完全文
ただ、原則としては主語や動詞・目的語など文章を構成する一通りの情報(完全文)が来ます。比較級ではthan以下の文章も同じような内容ですので、主語より後は省略する傾向にあります。
「than」以下は本来の英文(主語+動詞〜の完全文)が来るということですが、人間同士の比較だと「I’m more careful than her」と間違っていうことも多いですね。ネイティブとの会話で「〜than me」などの使い方もありますが、文法的には正しくありません。
「私は彼女より慎重です」という意味で比較表現をしているものの、than以下では「she is careful」の文章が正確であるため、「her」ではなく正しくは「I’m more careful than she」となります。
代名詞における目的格・所有格など混同するケースもありますので、代名詞の基本・格の変化などもあわせて確認しておくといいでしょう。
また、than以下で比較の対象がズレてしまう間違いもあり、以下英文がその一例ですね。
The population of Tokyo is larger than Osaka.(間違った比較表現)
これは「東京都の人口は大阪府よりも多い」と言いたいところですが、比較の基準となっているのは「人口」であり、「than Osaka」だと東京都の人口と大阪府を比べているという見方もできます。
The population of Tokyo is larger than the population(that) of Osaka.(正しい比較表現)
そのため、「大阪府の人口」とthan以下であわせる必要がありますね。また、「the population」を繰り返したくない場合には「this・that」などの代名詞も使えます。
▷参考記事:thisとthatの違いを詳しく解説!
比較級では対象の人や物と比べるのが一般的な形ですが、「〜すればするほど〜である」とか「次第に〜である」など、形容詞・副詞の程度に変化がある場合において、「than」を使わない比較表現も可能ですね。
The harder you work, the better this situation will be.(あなたが頑張って業務をするほど、この状況は良くなるでしょう)
例えば、「The 比較級〜, the 比較級〜」の形で「〜すれば〜になる」といった原因と結果の因果について表現できます。
This problem gets harder and harder.(この問題は徐々に難しくなります)
「比較級 and 比較級」で形容詞や副詞の程度が次第に・徐々に大きくなっていく様子を言えますね。
Could you speak more slowly?(もっとゆっくり話していただけますか?)
また、thanでの比較対象を示さなくても、「より〜・通常よりも〜」など原級・普通との違いも表現できます。「Please speak more slowly.」など、相手にとって普通の速度でもあっても速くて聞き取れない!という時に聞き返せるフレーズは使えますね。
続いて、比較表現の中でも最上級を使った表現・例文について詳しくまとめました。最上級では「〜の中でも最も…」というフレーズが一般的ですが、応用表現もありますので覚えておきましょう。
最上級では対象は一つでなく複数ありますので、集合的な場所や集団などが比較の対象になります。
He is the coolest in this class.(彼はこのクラスの中で、一番かっこいいです)
What is the most beautiful landscape in this world?(世界で最も美しい風景はどこですか?)
She is the best of the 100 applicants.(100人の応募者の中でも、彼女は最も優秀です)
He was the worst-performing of the 10 players.(10人の選手の中で、彼は最悪のパフォーマンスでした)
例文の通り、特定の空間や集団の中であれば前置詞inを使い、具体的な数がある場合には前置詞ofを使って示します。
よく日本語でも、「あのサッカー選手は最高レベルの一人だ」とか「このアイスは最も有名なブランドの一つ」など、単独のナンバーワンでなくても最高に値する表現をしますよね。
英語でも同様の表現が最上級にて可能で、「one of the + 最上級」の表現で「最も〜なうちの一つ」と言えます。
She is one of the most trusted friends.(彼女は最も信頼できる友人の一人です)
Shinjuku is one of the most famous places in Tokyo.(新宿は東京の中で最も有名な街の一つです)
一番という断定はしない形で、個人的な感覚や推定で最高に値する時に「one of the + 最上級」で良い塩梅の言い方ができます。
また、「彼は2番目に優秀」とか「3番目に大きな犬」など順番を指定したい場合も最上級を活用できます。「the + 英語の序数(second/third/fourth…)+ 最上級」の語順で、最上級の前に何番目かを示す言い方です。
This building is the fourth tallest in Ikebukuro.(このビルは池袋の中でも4番目に高いです)
He is the second most popular singer in Japan.(彼は日本で2番目に人気のある歌手です)
順番については序数を扱うため、「two/three」ではなく「second/third」になる点も間違えやすいので注意しておきましょう。
それと、「the + 最上級」のほか比較級でも「一番〜である」と最上級の表現が可能です。
No other employee is better than she in this company.(この会社で彼女ほど優秀な社員はいません)
→実質、彼女が最も優秀な社員です
「No other +名詞(単数形)+比較級」で、対象の人や物よりも上がいないことで、than以下の人や物が最上級であることを示します。彼女より上がいない=彼女が最も優秀といった言い回しですね。
He is more reluctant than any other employee in this company.(彼はこの会社で他の従業員よりも消極的です)
違う言い方で、比較級の後に「than + any ther + 名詞(単数形)」を比較対象にして、「他の誰よりも〜である=最も〜である」という言い方もできます。
比較表現(比較級・最上級)の使い方について一通りご説明しましたが、「AとBは同じくらい」などイコールの比較(同格表現)も参考までに覚えておくといいでしょう。
Shinjuku is as famous as Shibuya.(新宿は渋谷と同じくらい有名です)
I type on a keyboard as fast as he.(私は彼と同じくらいタイピングが速いです)
基本形は「A + as + 形容詞・副詞の原級 + as + B」の語順で、形容詞または副詞の通常形を「as」で挟んで表現します。
2つ目の「as」以降に続く比較対象も「Shibuya(is famous)」や「he(types on a keyboard)」など、主語以降の文が省略された完全文が来ますね。
それと、「彼ほど背が高くない」など完全にイコールではない表現のほか、「彼女の半分しか年収がないです」や「この猫の2倍の大きさの犬」など、本来は同格である「as ~ as」でも比較表現として使うことができます。
I’m not as beautiful as she.(彼女ほど美しくありません)
→not as~asで同格を否定
The population of Tokyo is about twice as large as that of Chiba.(東京の人口は千葉のおよそ2倍です)
→about twice as~asで、およそ2倍の比較
※人口(population)についての形容表現では「much」も使われますが、一般的には大きさという観点から「large」で言います。
My annual income is half as much as hers.(私の年収は彼女の半分です)
英語の比較表現について重要なポイントは以下の通りです。語順など苦手意識があった方でも、基本をおさえておけば比較表現でアウトプットできるようになるでしょう。
何かと比較することでより細かい表現ができますが、英文法では他にも覚えておくと役立つ文型がありますので、参考までに確認しておくといいでしょう。全く基礎知識がない方でも、無理なく分かりやすく解説しておりますのでぜひお読みくださいませ!
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