「数えられる可算名詞と数えられない不可算名詞を正しく見分けたい!」
英語の文を作る時や、英語で自分の言いたいことを伝える時など、その英語が正しい英語なのか心配になりませんか。ビジネスなどの大事な場面ではできるだけ正確な英語を話したいものです。
正しい英語を使えるようになるために、可算名詞と不可算名詞を区別する必要があります。いわゆる数えられる名詞と数えられない名詞のことですが名詞は無限に数があり、全てそれを暗記するわけにはいきません。ネイティブも全て覚えているのではなく、ある法則に従って区別しています。
この記事ではネイティブがどのように可算名詞と不可算名詞を区別しているのか解説していきます。ネイティブの持つ感覚を知っていただければ、可算・不可算名詞を暗記する必要がなくなります。正しい英語で話すためのお役に立てれば幸いです。
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英語の名詞は大きく分けると、可算名詞(Countable nouns)と不可算名詞 (Uncountable nouns)の2種類があります。簡単にまとめると可算名詞は数える名詞、不可算名詞は数えない名詞となります。
人、動物、場所のように数字を使って数える名詞は可算名詞と呼ばれます。可算名詞には普通名詞と集合名詞がありまして、単数形と複数形に使われます。下記の例をみましょう。
★(1)〜(5)に使われている名詞は普通名詞と呼びます。
普通名詞とは
猫や本・写真など普通の物の一般的な名称を普通名詞と呼びます。猫をみて、犬と言う人や本をみて、机と答える人はいないはずです。
(例)本・犬・レストラン・テレビ・机など
(1) は可算名詞 person (人)が使われている例ですね。人は1人、2人、3人のように数えられます。
(2) は可算名詞cat(猫)が使われている例です。猫は一匹、二匹、三匹のように数えられます。そのように、(3)と(4)は可算名詞book(本)、restaurant(レストラン)が使われている例です。
(5)は可算名詞photograph(写真)が使われている例となります。写真は1枚、2枚、3枚で数えれて、この例文は数字ではなくmany(たくさん)がphotographの前で使われています。たくさんとは言え、数えたかったら数えられると言う理由で可算名詞だと言えます。
★(6)と(7)に使われている名詞は集合名詞と呼びます。
集合名詞とは
同じ種類の物や人が集まった集合体を集合名詞と呼びます。家族(Family)や人々(People)などが代表例です。
(例)家族・警察官なども集合名詞
(6)は可算名詞family(家族)が使われている例です。家族には一人ではなく、親や子供などの集まりであり「1つの家族」のように数えられます。その考え方で、2つの家族はtwo familiesになります。
(7)は可算名詞team(チーム)が使われている例です。チームには一人ではなく、何人かの集まりであり「1つのチーム」のように数えられますね。その考え方で、2つのチームはtwo familiesとなります。
分類 | 単数 | 複数 |
普通名詞 | One friend / a friend | Two friends |
One house / a house | Two houses | |
One tree / a tree | Two trees | |
One idea / an idea | Two ideas | |
One shop / a shop | Two shops | |
集合名詞 | One class / a class | Two classes |
One group / a group | Two group |
不可算名詞は数字を使って数えられない名詞です。なぜならば、そのものは形がないか(水、空気など)小さすぎるか(砂、粉など)、または抽象的なものとなります。不可算名詞は単数形で使われまして、下記の例をみましょう。
(1)は不可算名詞sugar(砂糖)が使われている例。砂糖は小さすぎて数えられないもので、不可算名詞ですね。
(2)と(3)は不可算名詞air(空気)とmilk(ミルク)が使われている例です。空気とミルクは形がない物であり数えられません。こうした名詞は不可算名詞となります。
(4)は不可算名詞gold(金)が使われている例です。金は量で測れるが数えられない物で、不可算名詞であります。英語に金のようにほとんどの物質名詞は不可算名詞に分類されます。
(5)は不可算名詞love(恋)が使われている例です。恋は目に見えなく、心の中に存在するコンセプトであって、触られないので数えられません。こうした名詞は抽象的な名詞と呼び、不可算名詞であります。
分類 | 名詞 |
小さすぎ | Rice(お米) |
Sand(砂) | |
Salt(塩) | |
形がない | Smoke(煙り) |
Tea(お茶) | |
Blood(血) | |
物質 | Wood(木材) |
Fabric(布・織物) | |
Metal(金属) | |
抽象的 | Death(死) |
Beauty(美) | |
Knowledge(知識) |
可算名詞と不可算名詞の違いについてご説明しましたが、様々な種類・カテゴリーがあって理解が難しいという方もいるかと思いますので、後ほど掘り下げて解説いたします。
とりあえず、可算名詞は具体的な感じで数えられて、不可算名詞は不確定な要素があるといった受け取り方で問題ございません。
名詞には数多くの種類があり、全てを覚えようとすると大変です。そのため、実際の英語での会話でよく使う可算名詞・不可算名詞に絞って覚えておくことが重要ですね。
▷参考記事:英語の名詞の種類・正しい用法について
以下の単語は全て可算名詞です。会話でよく出てくる物です。簡単な単語ばかりですが、しっかりと数えられる名詞だと認識しておきましょう。「a」や「the」を名詞の前につけることをお忘れずに。
以下は全て不可算名詞です。全て数えられない名詞なので、うっかり「a」や「the」を付けないように気をつけましょう。数えられないということは、「papers」や「Freedoms」などの複数形は存在しないということです。
可算名詞と不可算名詞について、どちらから判別が難しい場合の見分け方について詳しくご紹介いたします。全ての名詞について可算名詞か不可算名詞について単純に覚えようとしなくても、感覚的に分かるようになります。
英語を学ぶ時にネイティブの感覚を知っておくと、英語学習が簡単になります。「『COME』4つの意味と使い方|ネイティブの感覚でCOMEを応用する」でも簡単な動詞をネイティブの感覚で解説しています。文法の基本ルールを押さえたら、ぜひネイティブの感覚についても知ってください。必ず役に立つはずです。
その他参考資料:GOの意味・使い方|「行く」以外のネイティブ活用法【8選】
ネイティブは可算・不可算名詞を全て暗記しているわけではありません。ネイティブの持つイメージでなんとなくで分けています。ではネイティブの曖昧な感覚をご紹介します。
決まった形があるものは、数えられるもの。つまり可算名詞となります。
どれも「1、2、3・・」と数を数えられますね。具体的に触れるものに可算名詞が多いように感じられます。
形がないものや形が曖昧なものについては、数えられないもの。つまり不可算名詞となります。
愛とか美とか、、数では数えられません。触れないもの・小さいもの・形が変わってしまっているものが不可算名詞といえます。
※仮にビール3杯とか数える場合には、不可算名詞の「beer」は複数形にならず「three glasses of beer」といった表現が適切になり、容器である「glass」が可算名詞の複数形といった扱いになります。
ネイティブですら名詞を感覚で見分けています。英語を学習している方は基本となるルールは押さえつつ、ある程度は感覚で名詞を見分けていきましょう。多少間違えたとしても、会話で大きなミスに繋がることは滅多にありません。決まった形がはっきりしていて、「1・2・3・・」と数えられるものは可算名詞。そうでないものは不可算名詞といった判断となります。
上記でご説明しました可算名詞と不可算名詞の特徴について、別の捉え方をしますと「イメージのしやすさ」や「絵の描きやすさ」といった判断軸もあります。
形が曖昧なものとされる不可算名詞は、絵にすると描きにくいなど具体化がしにくい傾向にあります。不可算名詞の種類・カテゴリーについて再度確認しますと、
といったそれぞれの特徴から、不可算名詞は数を数えることが難しい性質から絵として表現しづらいと言えるでしょう。
仮に可算名詞であれば、「鉛筆は確実に3本と数えられるし、すぐ絵に描ける!」とか「椅子も1脚・2脚といった普遍的な数え方ができるから可算名詞だ」など、自信を持って具体化できたりいくつあるか断言できるといった傾向がありますね。
これが、ネイティブの感覚である形がはっきりしているもの=数えられるもの=絵として書けるもの、といった連想で可算名詞と不可算名詞の見分け・判別で参考になるでしょう。
以上の内容を踏まえ、可算名詞と不可算名詞の違い・見分け方について表でもまとめました。整理をしておくことで可算名詞か不可算名詞か迷わず判断できるようになりますので、確認しておくといいでしょう。
可算名詞 | 不可算名詞 | |
定義 | 数字で数えられる名詞 | 数字で数えられない名詞 |
特徴 | 形がはっきりする物(絵に描けるもの) | 形がはっきりしない物(絵で表現しづらいもの) |
カテゴリー | 普通名詞:dog, book, tree, house | 形がないもの:smoke, air, water, milk |
集合名詞:team, family, group | 物質:diamond, metal, wood | |
小さすぎるもの:sugar, sand, rice | ||
抽象的なもの:love, hate, beauty, death | ||
単数か複数形 | 単数形と複数形あり | 単数形のみ |
可算名詞と不可算名詞の違いについてご紹介しましたが、実際のところネイティブですら見分けることが難しい微妙な名詞もあります。
他の言語には数えられるが、英語には数えられない名詞もありまして、このような名詞はネイティブも感覚で見分けていますね。
よく出てくる微妙な名詞の一覧
※仕事のJobとWorkの違い:Job は可算名詞で、地位や職業または特定の役割/タスクを表現します。
例文
Workは不可算名詞であり、動詞としても使えるものです。働くことそのもの、労働またはやるべきことを表現します。
例文
また、誤認しやすい名詞としてお金(money)は不可算名詞になります。数字を使って「一円、二円、三円」で数えられると思われるかもしれません。
しかし数えられないと英語で考えられているのです。なぜならお金を数える時、コインや紙幣の枚数の多い少ないは特に意味がありませんよね。大切なことはいくら持っているのか。お金は数えるのではなく、計算するので不可算名詞と分類されます。
ただ、不可算名詞でも「水やビールは1杯とか数えられる方法はあるのでは?」と思う方もいるでしょう。ご参考までに、以下例文で不可算名詞での数え方についてご紹介しました。
Can you have two glasses of beer?(ビール2杯いただけますでしょうか)
I bought a bunch of bananas.(バナナ一房を買いました)
I want three tablets of chocolate.(板チョコ3枚欲しいです)
言い方として、「数 + 別の名刺 + of + 不可算名詞」というフレーズを使えばグラス一杯など、基準となる単位で数量を表現することが可能です。
また、正しい英語を使う上では文法的な理解も重要となります。特に可算名詞と不可算名詞の見分け方と関連度が高い文法として、単数形・複数形のルールがありますので、参考までに解説いたします。
▷おすすめ記事:基本的な英文法について一通り解説!
可算名詞は単数形と複数形があり、単数形は冠詞(a/an/theなど)をつけて使うことが必須です。「a」と「the」の使い分けに関してはAとTheはどう使い分ける?|共通認識の「the」について解説!で詳しく解説しているので、こちらもあわせてご参照ください。複数形はaとanをを使いませんが、代わりに以下のような品詞とセットにできます。
不可算名詞は単数のみで、aとanは使わない。その代わりに下記が不可算名詞の前に使えます。
不可算名詞を数えるために、測り単位を使えば数えられるようになりますが、基本は単数形のままで使いますね。
不可算名詞を計るためのフレーズ
可算名詞 (単数形と複数形) | 例:apple | 不可算名詞 | 例:water | |
冠詞 | a,an,the(単数), the(複数) |
an apple the apple |
the | the water |
数字 | one, two, three |
one apple, two apples |
なし | なし |
数量詞 | many, a lot of, lots of |
many apples, lots of apples |
so much, a lot of, lots of |
so much water, lots of water |
・多い | ||||
・少ない | a few (few) | a few apples | a little (little) | a little water |
・曖昧 | some | some apples | some | some water |
また、間違えやすい文法では「How many〜」と「How much〜」のがあり。それぞれ可算名詞と不可算名詞での使い分けがされます。
質問の構成:How many + 可算名詞の複数形?
例文
質問の構成:How many + 不可算名詞(単数形)?
例文
これまで、可算名詞と不可算名詞で名詞が分類されることを説明しましたが、例外として英語には場合によって可算と不可算のどちらでも使われる名詞があります。
可算名詞にするか不可算名詞にするかによって意味が変わるのです。下記にいくつか例をご紹介いたします。
本当は不可算名詞(数えられない名詞)ですが、日常会話では可算名詞として使う場合があります。そこには明確なルールは存在しているわけではなく、ネイティブの感覚で使い分けされていますね。
皆さんも間違えることを気にせず、ある程度使い分けができていれば会話に支障はおきません。
不可算名詞 | 可算名詞 | |
Coffee, tea, soda, water | I only drink black coffee.(飲み物) | I will have a coffee (tea/soda/water) コーヒ(お茶・炭酸水など・お水など)は数えないが、このような使い方はa cup of coffee を表現する。カップ一杯など、レストランでの注文にはよく使われている。 |
Meat, Fruit | I had meat for dinner.(お肉) I like fruit. (果物・食べ物) |
Red meats such as beef and lamb are not healthy.(お肉の種類) The citrus fruits grow better in hot countries.(果物の秋類) |
Hair | She has brown hair. (全体的な髪) ※人・動物の髪は普段数えられないので不可算名詞として使われている。 |
I found a hair in my food.My father has a few grey hairs. (数が少なくて数えられる時は可算名詞として使われる) |
不可算名詞で使われる時と可算名詞で使われる時では、意味が違う単語の一覧です。数は少なく、簡単な単語ばかりなのでぜひ覚えてしまいましょう。
不可算名詞 | 可算名詞 | |
Chicken | I had chicken for dinner. 食べ物(鶏肉) | I have two chickens in my garden.動物(鶏) |
Paper | This box is made of paper.物質(紙) | He wrote a paper about this case.レポート I saw the news on the local paper.新聞 |
Iron | This box is made of iron.物質(鉄) | I used an iron to scorch my shirt.物(アイロン) |
Glass | This box is made of glass.物質(ガラス) | I had a glass of wine this evening.物(グラス) |
Time | I have lots of free time.時間 | I have seen this movie three times.回数 |
Beauty | I love the beauty of nature.抽象的な名詞(美しさ) | She is a true beauty.美人 |
可算名詞と不可算名詞の見分け方について詳しく解説しました。ざっくりまとめますと、可算名詞とは数えられる名詞のことで、不可算名詞は数えられない名詞のことです。
さらにネイティブがどのようにして可算・不可算名詞を見分けているかも解説しました。形がはっきりしていて、絵で表現しやすいなど具体化できる名詞は可算名詞であり、形がはっきりしておらず、絵でも描きづらい名詞は不可算名詞です。
可算・不可算名詞を見分けることができれば、それに付随する文法のルール「a」と「the」なども連動して使えるようになっておくと、さらに正確な英語で話すことができます。
ただ、ネイティブが日常会話での可算・不可算名詞のルールは曖昧だったりもします。基本ルールはしっかり押さえつつ、会話ではある程度間違えても支障はありません。逆に、正しい文法が何か?に縛られてしまい積極的な英語でのアウトプットができないと英語が上達しませんので、100%の正確さを求めず様々な言い方を実際の英会話や練習で試せるといいですね。
ネイティブでも完璧な文法に則って会話をしている訳ではありませんので、まずは本記事で可算名詞・不可算名詞のイメージを大筋ご理解いただけましたら幸いです!
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