Getは基本動詞の1つで、ネイティブ同士の会話でも頻繁に使われます。Getには「得る」を含めて7つも意味や使い方があります。
これら全ての意味を暗記するのは大変ですよね。そこでネイティブの感覚を身につければ、暗記の負担が大きく減ります。ポイントとなるのはコアイメージからの理解で、Getには「手に入れる」のほか「ある状態になる」の意味があります。
Getをより理解するためには、関連する基本動詞の意味・コアイメージを覚えるといいでしょう。常的によく使う基本動詞も記事としてまとめました。学習のお役に立てれば幸いです。
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はじめに、Getの基本的な意味や文法的な情報をまとめました。時制による語形変化も確認しておきましょう。
Getと聞くと「得る」という意味が思い浮かびますよね。「I get enough food.(充分な食料を手に入れる)」など、何かを得るイメージが日本人にも根付いており「ゲットする」など普通に使います。
ただ、ネイティブは日常会話で「得る」以外の意味としても使い、主に以下7つの意味があります。
★Getが持つ7つの意味
日常会話でGetは頻繁に使われます。Getとを適切に使いこなせれば、伝えたいことを表現するときに役立つはずです。以下でも1つずつ意味・イメージを解説していきます。
Getの語形変化など、以下でまとめました。動詞は過去形・過去分詞でそれぞれ異なる形になります。
本ページで紹介するGetの活用は、基本的に全て動詞での解説となります。「〜を得る」や「理解する」など、動作を示す役割です。
など、時制に応じて語形変化が起きます。時制についてあまり自信がない方は、英語の時制解説ページをご参考ください
また、Getは以下のように名詞的な用法もあります。
こちらは日常会話ではあまり利用するシーンはなさそうですが、参考までにご紹介しました。
Getの主な意味や熟語・イディオムをご覧いただいた通り、Getには「得る」以外にも意味があります。ネイティブは上手に会話でGetを使い分けています。
では私たちも、全ての意味を暗記しなくてはいけないのでしょうか?
実は丸暗記することなく、Getの意味を全てたった一つのイメージで理解することができます。Getのコアにあるイメージを理解すれば、Getをネイティブのように使いこなせます。
Get=「得る」と覚えるのが一般的ですが、「ある状態になる」というコアイメージも持っています。
Getが持つ2つのコアイメージ
よくある意味・用法は「ゲットする=手に入れる」ですが、何らかの事象や行動によって自分のものにする=その状態になるといったニュアンスが含まれています。
単純な手に入れるの説明だと、似たような動詞で「Take」もあります。ただ、それぞれ差別化することができて、詳しくは以下で解説します。
Getのコアイメージである「手に入れる」と「ある状態になる」から、以下のような派生した表現になります。
「手に入れる」イメージが5つの意味に派生していきます。
「ある状態になる」イメージが2つの意味に派生していきます。
こちらの記事でさらに多くのGetを使った熟語・イディオムを紹介します。フレーズは「Get+前置詞」により意味が変わります。
フレーズ事で意味が決まったのでGetのコアイメージと遠く感じる場合もあります。
番号 | 熟語・イディオム | 例文 |
---|---|---|
1 | get along with get on with 仲良くやっていく | I get along (on)with my neighbors. 「私は近所の人たちと仲良くやっている」 |
2 | get by (…で)何とかやっていく | He is making just enough money to get by. 「彼が稼げているお金で何とかやっていける」 |
3 | get up 起きる、立ち上がる | I get up at 7 o’clock every day. 「私は毎朝7時に起きる」 Please don’t get up from your seat before you are told. 「声をかけられるまで席から立ち上がらないでください」 |
4 | get down 身をかがめる、〜から下りる | He got down on his knees to beg me for forgiveness. 「彼は背座にして彼女に謝る」 I got down from a ladder. 「梯子から降りた」 |
5 | get on (バス・電車に)乗る | I got on the train at Tokyo station. 「東京駅で電車に乗った」 |
6 | get off (バス・電車から) 降りる | I got off the train at Tokyo station. 「東京駅に電車を降りた」 |
7 | get at 〜をほのめかす | What are you getting at? 「何を言おうとしているの?」 |
8 | get in (場所の中に)入る | Please get in here! 「ここに入ってください」 |
9 | get out (外)出る | I cannot wait to get out of here. 「外を出れるまで待ってられない」 Get out! 「出て行け!」 |
10 | get into (〜の中に)入る、 〜に興味を持つ | I couldn’t get into the house because I didn’t have the key. 「鍵がないので家に入れなかった」 I got into cooking recently. 「最近、料理に興味持ち始めた」 |
11 | get to + 場所 〜着く(arrive atと同じ意味) | I got to the theater just in time for the movie. 「映画館に着いた時ギリギリ映画の開始を間に合いました」 |
7種類の意味について、それぞれ例文とあわせて解説します。Getを幅広く使えるようになれば、日常会話やビジネスシーンでの英語表現でとても役立ちます。
Getの基本は、何かを受けるまたは受け取るという意味です。物理的な物だけでなく、目に見えない物にも使われます。
ネイティブ英語のポイント:Get = Receive
「receive」 (貰う)を代わりに使うことができます。日常会話では「receive」より「get」を使う方がより一般的です。
例文でチェック
物を買う時または自分の物にするという意味です。Getは買い物だけでなく、仕事、お金、賞などにも使われます。
例文でチェック
ちょっとした英語の知識で、「フライングゲット」という言葉がありますよね。CDなど発売日よりも早めに商品を手に入れる・購入するといった意味で使われていますが、「Flying get」は英文法的には正しくありません。
いわゆるカタカナ英語に該当するもので、ネイティブにとってフライングゲットの概念はないようです。
仮にフライングゲットについてネイティブに説明する場合、「Getting merchandise before they’re officially on sale.(公式販売より前に商品を得ることです)」といった言い方ができます。
何かを取ってくる・誰かを呼んでくるという意味です。Getを第四文型の形として使うこともできます。
例文でチェック
理解する、とらえる、聞き取るという意味をGetで表現できます。自分のものにするというコアイメージから、理解するニュアンスにつながります。
ネイティブ英語のポイント: Get = Understand
「Understand」の代わりにGetが使えます。Understandの方がよりフォーマルな表現で、Getの方がカジュアルな表現です。
例文でチェック
人・物を捕まえるという意味にGetはあります。とある事象・行動から自分のものにするコアイメージから、何かを捕まえるといった表現ができます。
ネイティブ英語のポイント: Get = Catch
「catch」としての使い方ができます。
例文でチェック
何かの状態になるという意味をGetで表現します。この場合、第二文型(SVC)になります。
第二文型の特徴で、S=Cの関係が成り立ちます。主語(S)と補語(C)が同列になり、以下例文のように「彼女=悲しい」「コーヒー=冷たい」などの関係性が読み取れます。
例文でチェック
Getには、誰かまたは何かを〜させるという用法もあります。イメージとしては、誰かを「何もしない状態からする状態」へさせる=何かをさせる意味合いとなります。
例文でチェック
Getはネイティブの会話でも多用できる基本動詞で、スラングの表現も多彩です。
くだけた表現になりますが、コアイメージからの派生を理解できればそこまで難しくありません。「自分のものになる・手に入れる」「とある状態」の基本的な意味を意識しておくといいでしょう。
Getの意味について一通り紹介しましたが、「手に入れる」や「〜の状態になる」など似ている動詞も多いですよね。
TakeやBuy、Becomeなど他の動詞と比較した上でどのように使い分けがされるのか、以下でまとめました。また、Getとセットになる品詞の種類も整理しておくことで、英文法の理解も深まるでしょう。
分かりやすいパターンは「Get+名詞」のイディオムで、上記でも説明した通り手に入れる・受け取るなどの意味があります。
Getと似たような基本動詞のTakeは、以下の基準で使い分けができます。
例えばビジネスシーンで相手からメールをもらう場合、「I got your email.」と表現すると受身的なニュアンスで、相手からメールをもらったんだといった意味になります。
対して「Can I take your email?」と表現すると、自分から率先してあなたのメールをいただいて良いですか? となり、自分の意志や積極性が伺えます。これがTakeのニュアンスで、関連記事でも基本動詞Takeの正しい使い方を解説しています。
GetとBuyも得るという大枠的な意味合いは同じですが、行動のニュアンス・焦点が異なります。
例えば上記の例文より「I got my lunch at the convenience store.」と表現する場合には、コンビニでおにぎりや弁当とか何気なく買ってきたというニュアンスになります。
対して、「I bought a watch.」についてはお金を出して腕時計を買った意味合いになり、購入・支払いのニュアンスが強くなりますね。
続いて、「Get+形容詞」のイディオムもよく使います。Getのコアイメージである状態の変化は、形容詞が利用されます。
「〜になる」という表現では、単純に「I am hungry.(お腹が空いています)」などbe動詞も使えますよね。「be+形容詞」と「Get+形容詞」も見た感じは同じですが、少しニュアンスが異なります。
Getのコアイメージについて再度説明すると「何らかの事象や行動によって自分のものにする=その状態になる」意味合いがあります。何らかの事象や行動=移り変わりがあると考えれば、状況の変化があるのがGetでのイディオムです。
対して、be動詞での表現は(現在形の場合)今、その状態にあると言えるものの過去や未来などの変化は意味に含まれていません。今だけがその状態なのか、少し前から今で変化があったのかによって、be動詞とGetの使い分けができるでしょう。
変化に関する動詞では「Become」もあります。これも大まかに言えばGetと同じ「〜になる」ですが、以下表の通り比較・使い分けがされます。
動詞の違い・比較 | Get | Become |
使えるシーン | 話し言葉(くだけた表現) | フォーマル |
状態変化の長さ | 短期的な変化 | 長期的な変化 |
Get/Become+名詞の表現 | 使えない(〜を得る意味に) | 使える |
例として「I get happy.」と「I become happy.」で比較をすると、Getの場合はちょっとした気持ちの切り替えで幸せに感じて、Becomeだと少しずつ時間をかけて幸せになったイメージです。
また、Becomeでは「I become a lawyer.(弁護士になった)」など、名詞を後に置いても「〜になる」の表現が使えます。Getだと「手に入れる」になってしまうので、文法的な違いが見えてくるでしょう。
「Get+前置詞」のイディオムも、「〜へ乗る」や「〜へ着く」など状態・位置的な変化を表現するなど日常英会話でよく使います。
それぞれの前置詞のイメージ・意味も理解すると、より英文を作りやすくなるでしょう。
「Get+前置詞」のイディオムでも似たような表現があり、「Get up」と「Wake up」は日本語にすると、どちらも同じ「起きる」です。
ただ、以下のようにニュアンスが異なり、ここでもGetのコアイメージ:とある状態への変化が基準となります。
ベッドや布団から出るくらいの動作があればGet upになり、ただ目を覚ますだけだとWake upの表現がより自然です。
また、「到着する」の英語表現では「Arrive」も思い浮かびますよね。
よく新幹線や電車のアナウンスでも、「The rapid train bound for Shinjuku will soon arrive on platform number 1.(新宿行きの快速電車は、まもなく1番ホームに到着します)」など聞いたことがあると思うので、馴染みある表現でしょう。
アナウンスでも一般的に使われるくらいの表現なので、Arriveはフォーマルな言い方ができます。一方でGetを使う場合には口語的なニュアンスになり、話し言葉で多用するイメージです。
そのため、英会話で使う場合には「Get to~」の言い方が無難です。ただ、上記例文ではどちらも「空港に着く・家に着く」の意味なので、「Arrive at~」でも問題なく使えるでしょう。
それと、「Get+比較級」のイディオムも日常会話で使えます。「より〜になる」「もっと〜になっておく」などの意味になります。
状況や状態の変化をより強調したい場合など、比較級の用法も使えるといいでしょう。英語の比較級の使い方・文法のルールなど、関連記事でも詳しく解説しています。
似たような基本動詞との比較では「Have」も大事なポイントです。GetとHaveには微妙なニュアンスの違いがあります。センシティブな表現の違いを表すときに役立ちます。
ではGetとHaveの使い分けについて解説していきます。関連記事で基本動詞Haveの使い方・用法も解説しています。
病気になった時、HaveもGetも使えますがニュアンスの違いがあります。下記の例をみてみましょう。
「Get+病気」は「病気になる」という意味です。一方で「Have+病気」は 「病気を持つ」というニュアンスになります。
「I got a cold (風邪になった)」ので 今は 「I have a cold (風邪という病気を持っている)」という使い分けができます。
※Haveの次は必ず名詞が来ますが、形容詞は使えません。Getには名詞も形容詞の両方が使えます。
動詞 | 形容詞 | 形容詞 | 名詞 | 名詞 |
---|---|---|---|---|
GET | Get sick ◎ | Get ill ◎ | Get a sickness ◎ | Get an illness ◎ |
HAVE | Have sick ✖️ | Have ill ✖️ | Have a sickness ◎ | Have an illness ◎ |
Get/Have + 名詞 + 過去分詞
何かを起こさせるという意味です。GetとHaveは同じように使える使役動詞です。
例文でチェック
「Get someone TO DO something」 vs 「Have someone DO something」
Have | Get | |
---|---|---|
構成 | Have + 人 + 動詞(原形)+ 名詞 | Get + 人 + TO + 動詞 + 名詞 |
意味 | 誰かに〜をさせる(してもらう) | 誰かに〜をさせる(してもらう) |
ポイント | ①すでに頼まれて同意した ②その人は自分の意思でしたい ③お金を払ってやって貰う | 人に言葉で頼んだり願ったりして何かをして貰う。 |
例文① | She has her husband do all the chores for her. | She gets her husband to do all the chores for her. |
直訳 | 彼女は旦那さんに全ての家事をして貰う。 | 彼女は旦那さんに全ての家事をして貰う。 |
ニュアンスの違い | 彼女の旦那さんが彼女のために全て家事をしてあげた。 →旦那さんが自分自身で家事をしたい。 | 彼女は旦那さんに全ての家事をさせる。 →旦那さんは家事をしたくないかもしれない。 |
例文② | I will have my brother check my homework. | I will get my brother to check my homework. |
直訳 | 私は兄に宿題をチェックして貰う。 | 私は兄に宿題をチェックして貰う。 |
ニュアンスの違い | 兄は私の宿題をチェックしてあげる。 →兄はチェックしたいからする、または既にチェックすると二人の間で合意がある | 私は兄に頼む予定。頼めたらチェックしてくれる。 →兄は自分自身でチェックする予定ではない。 |
直訳はあまり変わりませんが、ニュアンスに微妙な差があります。違いを知ることでデリケートな表現を使うことができます。
他にも、Getと基本動詞の組み合わせで英語表現の幅が広がります。より英会話のスキルを上げたいという人はぜひご参考ください。
来るを意味する基本動詞の「Come」と組み合わせイディオムで、「Come and get it.」という表現があります。
命令文で直訳すると「来てそれを取りなさい」になりますが、「来て食べなさい→ご飯の用意ができたよ」というニュアンスになります。お母さんやお父さんから「ご飯だよー」と息子を呼ぶ際に「Come and get it.」と言えます。
また、口語表現だと省略されて「Come get」と省略されることもあります。犬にフリスビーなど取ってもらう時や、その鍵自分で取りに来ますなど言いたい時など、様々なシチュエーションが考えられます。
基本動詞「Go」との組み合わせでも、「Go and get it.」または省略して「Go get」というイディオムがあります。
「Come and get it.」と同様に、「行く+取る=取りに行く」といった具合に複数の動詞の意味が重なります。「I will go get our order.(注文を取りに行きます)」の例文を見ると、「Come get」と似ていますね。
細かいニュアンスの違いを比較すると、Come getは取りに来る、Go getは取りに行くとなります。動作の視点が異なるので注意しておきましょう。詳しくは、Goの使い方・コアイメージもご参考ください。
上記の例文で「Go」を取り上げましたが、「Get to」と「Go to」も似た言葉ですよね。どちらも行き先を伝えるときに使えますが、出発と到着でニュアンスが異なります。
そのため、「普段から電車で通勤している」場合にはGo toが自然で、「駅までの道順を聞きたい」場合にはGet toがよく使われます。
Can you tell me how to get to Tokyo Station?(東京駅までの道順を教えてもらってもいいでしょうか?)
こちらの例文では、どうやったら東京駅に「着く」ことができるのかを聞いているので、Get toが一般的となります。
Get以外の基本動詞も英会話で使うことが多く、各動詞のコアイメージ・意味を理解しないと混同する恐れもあります。
ただ、どれもコアイメージさえ理解できれば、暗記に頼らずネイティブの感覚から英語を使いこなせます。また、「Get」と「Go」など類似する基本動詞を比較することで、より英語表現の幅が広がるでしょう。
詳しくは以下の関連記事より、厳選した英語の基本動詞を解説していますのでぜひお読みください!
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