Giveは初歩的な英単語で、英語初心者でも「あげる・渡す」意味について理解している人は多いでしょう。
ただ、Giveには与える意味以外の用法も多く、様々なシーンでGiveが使われることで混乱してしまいます。そこで、暗記に頼らない覚え方として、「手渡す」コアイメージからの派生が大事です。
などをこちらのページで詳しく解説します。意味のほか、Giveを使った文型・語順が不安という人向けに、英文法に関する知識も分かりやすく紹介します!
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はじめに、Giveに関する主な意味や文法情報を見ていきます。基本動詞と呼ばれるGiveは、動詞での活用がメインとなります。
Giveの主な意味は以下の通りです。ただ「あげる・与える」だけの意味に固定せず、幅広い使い方を覚えておくと日常会話でも柔軟に活用できます。
以下で紹介するGiveのコアイメージを知れば、より理解できるでしょう。
Giveの語形変化では、原形と過去形・過去分詞で全て異なります。いわゆる不規則動詞で、「gived」などの過去形にはならないので注意しましょう。
一般的には動詞としての活用が主となりますが、以下例文のように「順応性・弾力性」などの意味で、名詞で使われることも稀にあります。
This chair doesn’t have much give.(この椅子はあまり弾力性がありません)
参考までにご紹介する程度で、メインとなるのは基本動詞としてのGiveです。「I gave you 5,000 dollars for this car.(この車を5,000ドルで買いました)」など、動詞としての活用を以下で見ていきます。
基本動詞の用法を考えるには、コアイメージがとても重要です。Giveの根幹・コアにある意味やイメージを捉えると、そこから派生する用法にもついて行けます。
Giveコアにあるのは「何かをはい、と手渡すイメージ」です。
Giveというと、何か良いものを相手に贈るという意味での「与える」が思い浮かびませんか?
これ、実は落とし穴があるんです。手渡されるものが良いものとは限らないし、その所有権をまるごと譲ってしまうとも限りません。
本来の意味はもっとニュートラルで、ごくごくシンプルに何かを手渡すイメージを大事にしてください。以下でも詳しく解説していますが、特別な賞をあげる場合や親しい関係へ贈り物をしたい場合など、ニュアンスが加わる場合にはGive以外の動詞がより適切となります。
何気なく手渡すコアイメージから、意味や用法の広がりが生まれます。考え方は以下の通りです。
大事なのは意味を固定しないことで、「Give=与える」だけの認識だと「I will give a farewell party.(送別会を開くつもりです)」を聞いた時に「送別会をあげるっていう文章、合ってるのかな…」と困惑してしまうこともあるでしょう。
用法を全て暗記せず、手渡すイメージから自然にGiveを使いこなすのがベストです。スピーキングやライティングでアウトプットしながら、Giveの表現・可能性をどんどん広げていくと身に付きます。
Giveで特に重要な意味・用法について、5つまとめました。例文と一緒に意味や使い方を確認してみましょう。
一番わかりやすい使い方は、やはり与えるですね。以下例文のように、相手に手渡す感覚で物をあげます。
最後の例文はawayを使っていますが、手渡したものが一方通行で帰ってこないニュアンスから、「譲る」と言う意味になります。
「渡す」もGiveのコアイメージ(手渡す)に近い使い方をします。
Give me the salt, please.(塩を取ってください)
塩を一瓶まるまる自分のものにしちゃおう、というわけではないですね。単に手渡してください、というお願いなので、所有の変更(塩を自分のものにする)というニュアンスは含まれていません。
Give your luggage to the bellboy.(荷物、ベルボーイに預けちゃいなよ)
ベルボーイにあげちゃいなよ、という意味にはならないですよね。そのため、「あげる」ではなく「渡す」ニュアンスです。荷物、後で返してもらえないと大変ですよね。。
下の3例はどれも「与える」というより、正当な対価を支払っているだけですね。支払いとして、お金をぽんと出す・現金やクレカを手渡すイメージです。
上記の例文では与えるもの・渡すものはチケットやお金など具体的でしたが、それ以外に抽象的なものもGiveで表現できます。
抽象的なものに関しては、「引き起こす」や「巻き込む」などの意訳ができますね。
手渡すものが情報の場合には、日本語でいうところの「伝える」になります。
ビジネスシーンなどで「あなたの上司にもよろしくお伝えください」と言うシーンは多いですが、これも「Please give my best regard to your boss.」とGiveを使った表現ができます。
手渡すから意味の遠い「〜をする・開催する」に関しては、「行動やイベントを起こす」イメージから用法を覚えておくといいでしょう。よく使うのが「give a party(パーティーを開く)」ですね。
「give you a call(電話をする)」や「give you a hand with~(〜を手伝う)」などの表現があります。コールする、手を貸すなどのイメージから行動につながります。
〜をするGiveの用法と関連して、「Just give it a go.(試しにやってみる)」というフレーズもあります。「a go」は試みを意味する名詞で、「それ(it)に試みを渡す→試しにやってみる」との表現ができます。
例として「I have mixed feelings.(楽しみな反面不安もあります)」と言われた際に、相手の背中を一押しするように「Just give it a go. You can make it!(試しにやってみて。うまくいくよ!)」と励ます言い方ができるでしょう。
手渡されるものが、いつも良いものとは限りません。以下例文のように、Giveには割り当てる意味もあります。
My math teacher gives us a lot of homework.(うちの数学の先生はみんなにたくさんの宿題を出す)
宿題のプリントをはい、と手渡されるイメージです。
The evenings are given over to dinner.(夕方の時間帯は、夕食に割り当てられます)
こちらは受動態を使った表現で、時間的な割り当てがされるイメージですね。
We decided to give him a $200 fine.(彼に200ドルの罰金を課すことにした)
駐禁の切符を切って、はい、と渡す場面をイメージしてください。
Giveの意味について一通り解説しましたが、初心者にとって文法や文型のルールで戸惑うことも多いです。
特にGiveは前置詞とのセット・イディオム(句動詞)も多いので、一度整理しておくといいでしょう。
Giveと前置詞(または副詞)を使ったイディオムで、主なものをまとめました。前置詞のイメージ・用法を理解できれば、より言葉のニュアンスをつかめます。
日本語でもよく使うギブアップ(Give up)は、もちろん諦める・やめるといった意味があります。
ただ、ネイティブが使うGive upは以下例文のように、幅広い用法があることも知っておくと役立つでしょう。
コアイメージから考えると、努力を渡す(諦める)・行動を渡す(やめる)・時間を渡す・(割く)・何かを手放す(譲る)と、共通したニュアンスで捉えられます。
また、最後の例文の「gave up one’s seats」はupを省略して「gave one’s seats」でも通じなくはないですが、「持ち運べるパイプ椅子を手渡す」ような物理的な行動としても伝わるので、Give upの方が自然です。
Give upと似たようなイディオムで、「Give in」も以下のような例文から用法を読み取れます。
Give upとGiveの両方で諦める意味はありますが、Give inは誰か相手に負ける・屈するニュアンスであるのに対して、Give upは努力的な意味合いで負けるイメージです。
そこまで大差はないですが、仕事や勉強ができない時などはGive up!(もう無理!)というのが自然でしょう。
少し応用の入った文法で、「Given+名詞」による仮定法の表現があります。
仮定表現の一種にはなりますが、実際に起きている(事実であること)が述べられるので「〜を考えると・考慮すると」というニュアンスの方が近いです。
過去分詞を使った仮定法について詳しく知りたい人は、以下の関連記事で詳しく紹介していますのでご参考ください。
Giveのほか、BuyやTellなどの動詞ではSVOO(主語+動詞+目的語+目的語)の語順になり、
などの例文で分かるように、あげる・買う対象が一つ目の目的語になり、何を渡すかが二つ目の目的語で表現されます。
順番的には、giveやbuyなどの動詞に対して一番に説明するべきこと(物)が後に来て、補足として誰に渡したのかが先に来ます。直接目的語と間接目的語による区別ができて、この辺りは参考記事で英語の第四文型SVOOの使い方を解説しています。
SVOOの第四文型はSVOの第三文型で言い換えすることが可能で、この際Give型とBuy型で分類されます。
Giveなどの動詞は相手が必要な動作で、「誰に」手渡ししたのが明確に伝えるために、到達点を示すtoの前置詞が使われます。
そのため、第三文型(SVO)で言い換えをする場合には「I gave him a bandage.」→「I gave a bandage to him.」と語順の変化が起きます。
対して、Buy型の動詞では相手がいなくても成立するのが特徴で、BuyのほかFindやGetなどがあります。どれも、買うこと・見つけること・得ることに相手は必須ではないですよね。
なので、SVOだけの形で「I bought a PlayStation 5.」でも成立しますが、誰のためにした動作なのか示すには、前置詞のforを使います。
「I bought a PlayStation 5 for my son.」という言い方になり、forもtoと同じような方向性を示す前置詞ですが、toに含まれる明確な目的地・到達点とは異なります。間接的な対象といったニュアンスを示すので、Buy型の動詞で使われます。
人や動物などを対象に渡す・買うなどの動詞について、第四文型では同じ語順になるものの、第三文型に言い換えると使う前置詞が変わってくる(対象の説明が必須かどうかが変わる)という話でした。少し文法に特化した知識でしたが、一連の内容を理解しておくと英文法・構文に強くなるので参考までに覚えておくといいでしょう。
Giveとの関連性がある動詞や似ている表現も、以下でまとめました。細かなニュアンスを使い分ける際に、有用な知識になりますのでぜひご確認ください。
よく「ギブアンドテイク」と日本語でも言われるように、GiveとTakeはもらう・あげるといった似たようなイメージがあります。
ただ、GiveとTakeは対照的な関係になっており、以下の通り自分の視点から手渡す、または受け取るのどちらかで使い分けます。
基本動詞のTakeは自分の意志で取り入れるコアイメージがあり、「Let’s take a break.(休憩しましょう)」など、自分のものにする動作が該当しますね。
ビジネスシーンのほか友達関係でも、「ギブアンドテイクでしようよ」など使うことがあると思いますが、意味としては日本語で使うものと同じです。
「In life, you have to give and take.(人生において、譲り合わなければなりません)」など人生観を映し出すように、Give and takeは大事な考えです。一方的な利益(Take)を求めず、自分からも何か与える(Give)側にならないと、人間関係もギクシャクするでしょう。
Giveのほか、「与える」ニュアンスがある動詞がいくつかあるので比較していました。シンプルに何かを手渡すGiveと比べて、他の動詞には特定のシーンが想定されます。
Feedも与える表現ができますが、動物に対するエサやり・食べ物をあげる意味合いとなります。
動物のほか、赤ちゃんなどの人間にもFeedが使われることがあります。
よく授賞式などでアワード・リワードと呼ばれることがありますが、AwardやRewardは映えある賞や報酬を与える時に使われます。
AwardとRewardは似たような意味ですが、ニュアンスが異なります。Awardはアカデミー賞など審査をした上で与えらえるものに対し、Rewardは努力や成果に応じて自然と与えられます。
また、与える動作ではプレゼント(Present)もありますが、英語の場合は何かをあげるよりも畏まった形での発表をする意味合いでよく使われます。
「The company presented their newest line of smartphones.(その会社は最新のスマホシリーズを発表しました)」など、プレゼンテーション的な発表・好評についてPresentがで表現できます。
一般的に何か贈り物をする場合には「I will give a coat to my sister.」など、Giveを使う方が汎用的で自然です。
基本動詞のGiveは日常会話でよく使い、ネイティブの感覚を理解できれば英語表現で役立ちます。大事なポイントは以下の通りです。
Giveだけでなく、日本人にとって馴染みのあるGive upのイディオムも該当することで、意味を一つに固定しないことが重要です。手渡すコアイメージから、時間を費やす・席を譲るなどの用法を学ぶと英語表現が楽になります。
英語力=語彙力・単語数の多さで認識しがちですが、コアとなる英単語を深く学べば、難しい表現を知らなくても日常会話くらいなら充分に対応できます。関連記事でも英語の基本動詞を詳しく解説していますので、あわせてお読みください!
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