英語の受動態は「〜される・〜された」など、受け身の形で表現するもので一般的には「be動詞+過去分詞」で使います。
受動態について過去形や完了形など時制と組み合わせたパターンや、通常の英文(能動態)から受け身への変換など、いくつか知っておくべきポイントがありますね。
日常英会話でも自然に受動態を使う機会は多いため、受動態の作り方や文型ごとの書き換えなど一通り確認しておくといいでしょう。
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受動態は「受け身」とも言いますが、以下例文のように主語の人や物が「〜される・〜された」と何かしらの動作をされた側である場合に使いますね。
My smartphone was broken.(私のスマホが壊れました)
→破壊される・壊されるという受け身の表現
He isn’t liked by anyone.(彼は誰からも好かれていません)
→好かれているという受け身の表現
「壊す」や「好きである」は主語の動作ですが、壊される対象や好かれる人にとっては「〜される側」になるため、受動態で言うことになります。
受動態と比較する上では「能動態」が出てきますね。能動態の「能動」という言葉の意味は、他からの働きかけや影響を待たずして、自ら活動・動作することであり、「能動的に振る舞う=自身から率先して動く」などの使い方をしますね。
簡単に言えば能動態は主語が「〜する側」で、「I broke my smartphone.」のように主語自身が何かをする状況です。一般的な英文が能動態で、主語が「〜される側」であれば受動態との認識で良いでしょう。」
何かをする側・される側の両面性によって能動態と受動態で区別されますが、受動態には何らかの意図があって使っているケースがあります。
例えば以下例文では、「〜する側」の動作主が誰なのか分からないことを理由に受動態での表現が自然になっていますね。また、誰がしたのかはさほど重要でなく「〜された側」がメインの話題になる場合は受け身ですね。
She is surprised in the store.(彼女は店の中で驚いている)
→驚かしている対象が不明なことや、主語の彼女に焦点をあてているケース
The bridge was built in 1995.(この橋は1995年に建設されました)
→同じく、誰が建設したのか特定できないので受動態
それと、「誰が〜した」などは考えるまでもなく一般的・世間的に多数の人が行っている動作も、受動態の表現がしっくり来るでしょう。
German is spoken in Austria.(オーストリアではドイツ語が話されます)
受動態の作り方について、まずは一般形(現在形)で考えると「be動詞の現在形(am/is/are)+過去分詞」が基本の形になります。
This cat is loved by everyone.(この猫はみんなに愛されています)
→「Everyone loves this cat」が能動態
一般的な語順(能動態)だと「主語+動詞」になりますが、間にbe動詞が入って、動詞が過去分詞に変化しますね。過去分詞の変化について、詳しくは規則動詞・不規則動詞の違いや以下の関連記事が参考になります。
受動態について「〜された」と過去の内容で伝える場合には、be動詞を「was/were」の過去形で表現します。
This wall was painted white.(この壁は白く塗られました)
詳しくはbe動詞の過去形表現ページにて解説していますが、主語が単数・または複数かによって「was」と「were」が使い分けされますね。
受け身の表現では一時的に「〜される」だけでなく、継続的に「〜されている」場合には進行形での受動態になります。一般的な進行形では「be+動詞のing形」ですが、受動態が含まれると「be+be動詞のing形+過去分詞」の語順に変わりますね。
This project is being planned since last week.(この企画は先週から企画されています)
先週という過去の地点から現在まで引き続き動作が続いている(計画中)である、というニュアンスで進行形の受動態が使われています。進行形の基本的な意味のほか、時間・時制に関して「since」などよく使う前置詞もあわせて確認しておくといいでしょう。
また、進行形と似たような時制である完了形では、「have + been + 過去分詞」の形で表現します。
My room has been cleaned by my brother now.(私の部屋は今、弟によって掃除されたところです)
完了形のイメージとしては、過去の一点から続いていた動作が今の時点で終わった・完了したという解釈で、詳しくは英語の時制パターン比較でも取り上げていますが現在でも続いている進行形とは使い分けがされますね。
仮に、現時点でも弟が掃除をしている場合には「My room is being cleaned by my brother.」と、進行形の受動態表現になるでしょう。
英文法では動詞について「〜するべき・〜ができる」など補足する役割がある助動詞もよく使われますが、「助動詞+be+過去分詞」の形で受動態になります。
The report should be shown to all employees.(この報告書は全社員に見せるべきです)
I get my bonus but it will be gone by tomorrow.(ボーナスをもらいましたが、明日にはなくなるでしょう)
助動詞も重要な表現が多いので、受動態とあわせた形も知っておくといいでしょう。助動詞の使い方・重要な意味について解説しているページもありますので、参考までにお読みくださいませ。
時制などと関連した受動態の作り方をご紹介しましたが、「〜によって」と動作主を指示する「by」の必要性について触れますと、どんな受動態でも必ず「by」を使って「〜する側・される側」の両者を明確にすることはありませんね。
動作主がハッキリしているケースでは、「by+目的語」で「〜によって」と表現します。
This grand piano will be bought by him.(このグランドピアノは彼によって購入される予定です)
ただ、受動態では動作主が分かっていない場合や、対象が不特定多数であることなど、わざわざ「by」で指定しなくても通じるケースが多いですね。
The chair was broken yesterday.(この椅子は昨日壊れました)
→誰が壊したのかは不明
Chinese is not studied in our school.(私たちの学校では、中国語は勉強しません)
→生徒という不特定多数
by以下を省略しても、このように受動態が使われます。動作主や当事者がいなくても、受動態は成立します。
また、受動態では「by+目的語」で動作主を説明するほか、別の前置詞を使って説明するパターンもあります。
He is known as a talented entertainer.(彼は才能のある芸能人として知られています)
I was born in Yokohama.(私は横浜で生まれました)
動作主よりも「〜で・〜として・〜へ」などの説明が必須な場合、「by」以外の前置詞で表現しますね。前置詞のイメージや使い方についてチェックするほか、前置詞とセットになった受動態の表現例を確認しておくといいでしょう。
be動詞+過去分詞+前置詞 | 受動態の意味 |
be known for | 〜で知られている |
be known as | 〜として知られている |
be interested in | 〜に興味がある |
be made of | 〜から作られている(材料) |
be made from | 〜から作られている(原料) |
be covered with | 〜で覆われている |
be born in | 〜で生まれる |
be surprised at | 〜に驚く |
be pleased with | 〜に喜ぶ |
受動態の使い方について、英語の文型別でも見てみるとより理解できるようになります。通常の英文(能動態)から受動態に変換する方法も、以下でまとめました。
第三文型SVO(主語+動詞+目的語)は、主語の動作について「〜を」と日本語で訳す目的語が入ります。
She sends an email in the morning.(彼女は朝、メールを送ります)
これを受動態にする場合、主役・主語になるのは目的語の「an email」であり、動作主である「She」は「by her」に変わります。
An email is sent by her in the morning.(このメールは朝、彼女によって送られます)
後は「目的語だった主語+ be動詞 + 過去分詞 +by + 動作主」といった受動態の語順に当てはめますが、主語が代名詞の場合には目的格に変わりますね。詳しくは所有格の基本解説ページで解説しています。また、英語の文型に関しては第三文型の特徴・作り方の解説ページにてご参考くださいませ。
第四文型のSVOO(主語+動詞+目的語+目的語)は、共通して相手に「〜してあげる」といった授与の意味があります。そのため、「give」や「buy」などの動詞を使って表現します。
I gave him a new muffler.(彼に新しいマフラーをあげました)
この第四文型の例文では、あげる対象である彼「him」とあげる物・目的語であるマフラー「a new muffler」の両方を主語にすることができます。
He was given a new muffler by me.(彼は私から新しいマフラーをもらいました)
→彼を主語にした場合の受動態
A new muffler was given him by me.(新しいマフラーは私から彼にあげられました)
→新しいマフラーを主語にした場合の受動態
目的語が2つある第四文型では、何を主語・メインにするかによって語順が変わりますが、能動態での表現が可能であれば基本的に授与動詞では能動態での言い方が自然ですね。
また、英語の第五文型SVOC(主語+動詞+目的語+補語)では使役動詞(make/haveなど)や知覚動詞(look/feelなど)を使って、相手に「〜をさせる・〜しているのを感じる」といった構文で使います。
The boss made me explain it.(上司は私にそれを説明させました)
この第五文型の例文を受動態にする場合、「〜させられている」私が主語になり、過去分詞になった動詞の後に補語を置く語順になります。
I was made explain by the boss.(上司にそれを説明させられました)
使役動詞や知覚動詞で使う補語で不定詞を使う場合、形容詞のほか「to」を省略した原形不定詞が使われており、「explain」は「説明すること」と名詞的な役割ですね。
ただ、以下例文のように使役動詞・知覚動詞以外の第五文型では、不定詞は「to」をつけるto不定詞の形が一般的です。
The boss advised me to think logically.(上司は私に、論理的に考えるようアドバイスをしました)
→受動態:I was advised to think logically by the boss.
to不定詞の場合、受動態にする時にもtoをつける必要がありますので、違いを確認しておきましょう。to不定詞の基本や英会話で使える用法など解説していますので、ご参考までに!
受動態について、重要なポイントをまとめると以下の通りです。
受動態は「〜する側」と「〜される側」などを意識することが多く、英語の文型について知っておくとより理解が深まるでしょう。今回は第三〜第五文型を取り上げましたが、英語で重要な五文型のまとめ・解説ページで詳しく説明していますので、こちらも参考になりますね。
また、受動態とあわせて知ってくべき時制や動詞の変化(過去分詞・過去形)も大事で、以下の参考記事より規則動詞・不規則動詞を確認してみてはいかがでしょうか。
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