前置詞の意味・具体的な使い方まとめ|英語表現で使える前置詞の用法4パターンとは?

前置詞の解説ページ

英語の前置詞は「at」や「on」など様々な種類がありますが、それぞれの前置詞をどういう時に置けばいいのかなどの使い分けや意味について区別がついていないまま使っている方も多いでしょう。

  • 特に重要な前置詞の意味とイメージ
  • 似たような前置詞との比較
  • 前置詞の役割パターン

前置詞の学習においてつまづきやすいポイントや難しい点について、こちらのページで分かりやすく解説いたします!

1.前置詞とは?|英語表現で重要な理由について

前置詞は英語で「preposition」と呼ばれるように、名詞の前(pre)に置くことが特徴の品詞です。場所や時間など、様々な表現において前置詞は必要不可欠ですので学習しておくといいでしょう。

1-1.前置詞+名詞が基本|場所や時間・方向などを表現

前置詞の概念について日本語にはないですが、助詞の「〜に・〜へ・〜で」などの機能と類似した働きがありますね。以下例文のように、基本は「前置詞 + 名詞」で表現します。

My dog is on the bed.(私の犬はベッドの上にいます)
→場所を示す「on」

I always leave home at seven.(いつも7時に家を出ます)
→時間を示す「at」

She came from the parking lot.(彼女は駐車場から来ました)
→方向を示す「from」

I will go shopping with you(あなたと一緒に買い物へ行くでしょう)
→位置を示す「with」

ベッドや時間などの名詞の前に置くことで、位置や時間など具体的な内容を説明してくれるのが前置詞の役割です。名詞については、基本的な名詞の種類と文法の解説ページにてご参考くださいませ。

1-2.前置詞はイメージで覚えよう!

前置詞のイメージまとめ

ただ、中学英語のレベルでも前置詞に対する苦手意識や、そもそも前置詞とは何か全然分かっていないケースも多いですね。「onとatの違いがよく分からないから、いつもフィーリングで使っている」とか「どんな時にどの前置詞を使うのは判断つかない」など、いくつか課題はあるでしょう。

というのも、日本語には前置詞そのものはなく、「6時”に”起きる」や「バス”に”乗る」「駅”に”向かう」など、英語だと複数の前置詞で使い分けるところを同じ助詞で全部表現できる、言語的な違いが原因としてあります。

ですが、前置詞はそこまで難しい文法でもなく、それぞれの前置詞に対応するイメージさえ掴めばネイティブが使う表現を自然と理解できるようになりますね。「to」や「for」など似たような意味の前置詞でも、活用イメージで比較することで分かりやすくなりますので、詳しくは以下でも個別イメージについてご紹介いたします。

2.日常英会話で使う前置詞一覧

特に重要な前置詞の意味やイメージについて解説する前に、まずは日常英会話で使う機会のある前置詞一覧を確認しておきましょう。

大まかな分類として、時間や場所で表現する前置詞と、位置的な情報を与える前置詞、方向など動きのある前置詞の3パターンで分類してまとめました。

時間・場所に関する前置詞 日本語での意味
at 〜に
on 〜の上に
in 〜に
by 〜までに
during 〜の間に
for 〜の間に
since 〜以来
before 〜の前に
after 〜の後に
until 〜までに
位置に関する前置詞 日本語での意味
with 〜と
of 〜の
by 〜のそばに
among 〜の中で
between 〜の間に
above 〜の上に
around 〜の周りで
behind 〜の後ろに
beside 〜のそばに
near 〜の近くに
over 〜の上
under 〜の下
up 〜の上
without 〜無しで
方向に関する前置詞 日本語での意味
to 〜へ
for 〜へ・〜のために
from 〜から
against 〜に対して
off 〜から離れて
through 〜を通り抜けて
toward 〜に向かって

3.重要な前置詞のイメージ・使い方まとめ

以下では、特に重要な前置詞についてイメージイラストとあわせて解説しております。

  • 方向・動きのある前置詞|to/for/from
  • 頻出する場所の前置詞|at/on/in
  • 位置についてよく使う前置詞|with/of/by/among/between

それぞれの用法について一通りおさえておけば、日常英会話でも応用できるほど英語力がアップしますね!

3-1.前置詞to|何かへ向かって到達

前置詞toのイメージ

We went to the library.(私たちは図書館に行きました)

I met him on the way to the office.(事務所へ行く途中に彼に会いました)

前置詞の「to」は「I go to~」などでもよく使われている通り、どこか目的地に向かって進んで到達しているイメージがあります。「to」では進んで、「最後まで」辿り着いた目的地・到着のところが強調されますね。

▷参考サイト:前置詞「to」の使い方について

3-2.前置詞for|目標はあるけどまだ到達せず

前置詞forのイメージ

The plane is bound for Okinawa.(この飛行機は沖縄行きです)

I’ll buy donuts for you.(あなたにドーナツを買ってきてあげます)

前置詞「for」は何か目的地や相手に向かって進んでいるイメージがあり、そこから様々な使い方・ニュアンスへと派生しています。

  • 〜のために(誰かにあげる・present for you)
  • 〜したために(理由を説明・Thank you for your help)
  • 〜の間(時間的な期間・for a week)

▷参考サイト:前置詞「for」のイメージとは?

また、例文でも取り上げた「buy型」の動詞では第三文型と第四文型(forを使わない)でそれぞれ表現可能で、「I’ll buy you donuts」とも言えますね。詳しくは第四文型の基礎や語順解説で取り上げていますので、ご参考くださいませ。

3-3.前置詞from|起点から離れていく

前置詞fromのイメージ

I’m from Osaka.(私は大阪出身です)

I was studying English from seven to nine.(7時から9時まで英語の勉強をしていました)

前置詞の「from」は目標地点ではなく、起点を基準に表現されます。日本語では「〜から」が直訳になりますが、起源や出身・原因や理由など様々な解釈ができます。

時間的な起点や継続にも関連しますので、「朝からずっと〜していた」など現在進行形の表現にも使えますね。

3-4.前置詞at|ある一点のピンポイントな位置

前置詞atのイメージ

I want to take a break at a cafe.(カフェで落ち着きたいです)

Please come to school at eight tomorrow.(明日の8時に学校へ来てください)

前置詞「at」は時間や場所で使えますが、「on」や「in」と比べてよりピンポイントで言わば「点」の表現ですね。とあるピンポイントな場所・特定の時間や狭い時間として認識されます。

▷参考サイト:前置詞atのイメージについて

3-5.前置詞on|平面的なエリアに接触している位置

前置詞onのイメージ

There is bottle on the desk.(机の上にボトルがあります)

I always play badminton on Saturdays.(土曜日はいつもバドミントンをします)

前置詞「on」は平面的に接触しているイメージで、〜の上が分かりやすい例ですね。ほかにも、時間的な位置情報ではある程度幅のある期間(on Monday/on May 15thなど)で「on」が使えますね。

▷参考サイト:時間を表現する時のon

3-6.前置詞in|空間的なエリアの内部にいる位置

前置詞inのイメージ

She traveled to Australia in summer.(彼女は夏にオーストラリアへ旅行した)

I live in Nakano.(中野に住んでいます)

それと、前置詞「in」も同じく空間・時間を表現しますが、時間・空間の中にいるイメージがあります。夏という大きな期間の内側や、大まかな地域・エリアの中に住んでいることなどが例ですね。

▷参考サイト:前置詞inの使い方について

3-7.前置詞with|一緒にいるイメージ

前置詞withのイメージ

I sleep with my cat.(猫と一緒に寝ます)

I wrote with a pencil.(鉛筆で書きました)

前置詞「with」は「〜と共に・一緒に」のイメージが強いですが、そこから派生して「一緒=手段の一つ」との解釈から「〜を使って」との意味もあります。道具としての関係性でも「with」が使えますね。

3-8.前置詞of|何かの一部

前置詞ofのイメージ

I have a map of the town.(街の地図を持っています)

She is a friend of Cullen’s.(彼女かカレンの友達の一人です)

前置詞の「of」は何かの一部に属しているイメージで、名詞(人や物)に関する一部分や性質を表現します。

「The lord of the ring(ロード・オブ・ザ・リング)」という有名な映画タイトルもありますが、直訳すると「指輪の支配者(lord)」となり、同じような「of(〜の)」で使われていますね。

3-9.前置詞by|何かの近く・手段(〜によって)

前置詞byのイメージ

This cat is sitting by the mailbox.(その猫は郵便受けのそばで座っています)

I’m going to go to the station by bicycle.(自転車で駅まで向かいますね)

前置詞の「by」は何かの近くという位置的なイメージがありますが、直接触れてはいなく距離的には少し感覚があります。

また、近接的なイメージから「身の回りにあるもの=手段」との考え方で、「〜によって」という手段もよく使いますね

3-10.前置詞among|取り囲まれている

前置詞amongのイメージ

The park is among  high buildings.(その公園は高層ビルに囲まれています)

前置詞の「among」はたくさんの何かに囲まれている感じで、「among trees」などの言い方もできますね。

具体的には3つ以上の対象によって囲まれている場合に該当して、2つだと以下の「between」を使います。

3-11.前置詞between|2つのものに挟まれている

前置詞betweenのイメージ

What kind of store is this building between the post office and the police box?(郵便局と交番に挟まれたあの建物は何のお店でしょうか?)

I work between Monday and Wednesday.(月曜から水曜の間、働いています)

前置詞「between」は2つの物を対象に、位置情報や時間を表現します。挟まれているイメージで、何か具体的な物だけでなく時間を対象にした言い方もありますね。

4.似たような前置詞を見分けるポイント

主な前置詞について一通り解説ご紹介しましたが、位置や時間・方向などで見分けがつきづらい「at・on・in」と「to・for」の違いについて、以下で詳しく確認してみましょう。

4-1.前置詞のatとonとinの比較|空間的・時間的な違い

前置詞の「at・on・in」はそれぞれ空間・場所や時間について表現できますが、ポイントとしては時間軸的な長さや近接度(特定の対象と近いかどうか)の基準があります。

前置詞のイメージ 時間軸の観点 特定の対象からの近さ
in(空間的な範囲) 年・月など幅広い時間 より遠い距離感
on(平面的な範囲) 日や曜日などの時間 中間くらい
at(ピンポイントの範囲) より近接的な時間 より近く密着している

上表の通り、時間軸や近接度によってそれぞれの前置詞が使い分けされます。そのため、以下例のように時間・場所に関する同じ名詞でも、前置詞が違うとニュアンスが変わりますね。

【atとinの比較】

He slept at night.(彼は夜に寝ました)
→時間の流れが意識されなく、「夜になったから寝た」と単元的な内容なので「at」を使う

He worked hard in the night.(彼は夜、一生懸命働きました)
→継続的に働くという動作を表現する目的で、時間に幅のある「in」を使う

I was at the meeting.(私は会議にいました)
→会議にいた、という単純な事実を述べている「at」

I was in the meeting.(私は会議に参加していました
→空間的な何かの中にいる、というイメージから参加・出席のニュアンスがある「in」

時間的な流れの有無や、空間的なイメージから「at」と「in」で違いが出ます。

【atとonの比較】

What will you do at Christmas time?(クリスマスの時、何をしますか?)
→クリスマス、という一つのイベント・点で捉えた「at」

This restaurant is open until midnight on Christmas Day.(このレストランはクリスマスの深夜まで営業します)
→カレンダー上の特定の日、という意味で捉えた「on」

また、「on」はカレンダー上で固定・接触しているイメージから、〜の日という期間内では適切な表現になりますね。

4-2.前置詞のtoとforの比較|到達しているか?

また、目的地を示す「to・for」も似たような前置詞ですが、以下のような比較ができます。

  • toの場合:目的地まで実際に到達することを重視
  • forの場合:目的地に向かって動いているが到着までは意味していない

I will go to Shibuya by this train.(この電車で渋谷まで行きます)
→渋谷へ行く・着くことに重点

This train is bound for Shibuya.(この電車は渋谷行きです)
→この電車が渋谷へ向かう・向かっていることを重点

目的地のこと、または出発していることのいずれかを焦点にする上で、「to」と「for」の使い分けを理解しておくと、より正確なニュアンスの英語表現ができるでしょう。

5.前置詞を使った用法まとめ|4パターンの前置詞句

前置詞について、これまでの例文でもご紹介した通り基本的には「in Tokyo」など前置詞+名詞の形で、前置詞単独では意味を成しません。

そのため、前置詞+名詞のセットになった前置詞句をライティング・スピーキングで使いますが、主語を説明する用法や形容詞的用法など、大きく分けて4パターンに分類される使い方も覚えておくと、より前置詞の役割について認識が深まるでしょう。

5-1.前置詞句が主語とイコールになる場合(主格補語)

分かりやすい例では、主格補語と文法的に言いますが主語の名詞を説明してイコールになる関係があります。

The vacuum cleaner is over there.(掃除機は向こうにあります)

The cat is with me.(猫は私と一緒にいます)

これは、英語の五文型で分類しますと「S(主語)+V(動詞)+C(補語)」の第二文型に該当します。詳しくは、第二文型の特徴と英文の作り方でも解説していますので、あわせてお読みくださいませ。

5-2.前置詞句が目的語とイコールになる場合(目的格補語)

少し難しい文型ですが、第五文型(主語+動詞+目的語+補語)の補語で前置詞句が使えるケースもあります。

I put the vacuum cleaner over there.(掃除機を向こうに置きました)

「〜させる」の意味がある第五文型で、人や物をどこかへ居させる・置くとの言い方で伝える例ですね。

英語の第五文型について詳しくはこちら!

5-3.前置詞句が名詞を修飾する場合(形容詞的用法)

後から修飾する形容詞的な使い方で、前置詞句では名詞を直接説明することも可能です。

A vacuum cleaner over there is mine.(向こうになる掃除機は私の物です)

こちらの例文では、「向こうにある掃除機」が一つの名詞句になっていますね。

例文で使用している所有格について詳しく解説!

My cat with me is so cute.(私と一緒にいる猫はとても可愛いです)

この例文も「私と一緒に」が形容詞的な働きをしていますね。一文でシンプルに物事を伝える上で便利な用法なので、各品詞の役割とあわせて知っておくといいでしょう。

知っておくべき形容詞の種類・役割について

基本的な名詞の使い方・カテゴリーを解説!

5-4.前置詞句が動詞などを修飾する場合(副詞的用法)

また、前置詞を語尾に置くパターンも一般的ですが、動詞または文全体を修飾することを目的とした副詞的用法もありますね。

The vacuum cleaner was used in the living room.(掃除機はリビングで使われました)

前置詞では名詞とあわせた前置詞句のかたまりで、様々な品詞として表現できます。それぞれの前置詞の意味やイメージについて覚えるほか、実際にライティングやスピーキングで使ってみると、より前置詞の重要さ・便利さについて気付きますね!

▷関連記事:副詞の用法・具体的な使い方をチェック!

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【松本兼頌(Matsumoto Kensho)】

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