Putには「置く」を含めて6つの主要な意味と、18種類以上のイディオム(慣用句・フレーズ)があります。Putは日常会話では必ず使われる基本動詞で、幅広い使われ方をします。
「置く」ならともかく、様々な意味を持つイディオムとなると…全てを暗記するのは難しいと感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
「英語の基本動詞16選の使い方|イメージが掴める動詞完全版【これで英会話が上達】」でご紹介していますが、基本動詞にはコアとなるイメージが存在します。コアイメージを掴めば、Putの暗記が楽になります。実際に私たち日本人講師ですら、全てを暗記していません!
コアイメージさえわかれば、初めて聞くPutのイディオムや熟語も自然と理解ができるようになります。Putのコアイメージは「物をある場所に配置する」です。
などを解説しますので、記事の最後までご覧いただければPutを日常会話でネイティブのように使いこなせるはずです。
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はじめに、Putの主な意味や文法的な基本情報を確認しておきます。変化形など、初心者が間違えやすいポイントもありますので要注意です。
Putには「置く」という意味があります。加えてネイティブは、Putを日常会話で「置く」以外のニュアンスでも使います。ケンブリッジ英英辞典によると、Putは主に6つの基本的な意味があります。
以下でコアイメージやイディオムなど詳しくご紹介しますが、「置く(配置する)」の意味から派生して様々な表現ができます。
Putに関する語形変化は以下の通りです。過去形や過去分詞でも、原形と同じになるパターンですね。
三人称単数の現在形では「Puts」になるため、「She puts my pencil down.」(彼女は自分の鉛筆を下に置きます)といった表現が文法的に正しくなります。
また、Putは動詞だけでなく名詞としての活用もあります。金融用語でのプットオプション(put option)や、砲丸を投げることいった名詞的用法もありますが、今回は動詞としての使い方・イディオムを説明します。
Putは単体でも使える英単語ですが、基本的には「put down」など他の英単語(前置詞・または副詞)との組み合わせで表現します。
そのため、Putの用法をマスターするにはPutだけでなく前置詞や副詞との組み合わせになる「句動詞」で覚えるようになります。
句動詞は動詞を使ったイディオム(慣用句)のことであり、英熟語とも言えます。動詞一つの単語だけでなく、複数の単語で表現します。
句動詞は前置詞、または副詞が動詞とセットになります。例文は以下の通りで、前置詞と副詞を両方使うイディオムもありますね。
put in(〜を入れる・費やす|put+副詞)
例文:I put gas in.(ガソリンを入れました)
put into(〜に投資する|put+前置詞)
例文:He put his money into the business.(彼は自分のお金を事業に投資しました)
put down to(〜を…のせいにする|put+副詞+前置詞)
例文:I shouldn’t put the mistake down to others.(私のミスを他人のせいにするべきではありません)
このように、Putを使いこなすには前置詞や副詞の使い方・単語のビジュアルイメージも重要です。「Put」以外にも覚えることあるの? と大変に思われるかもしれませんが、コアイメージさえ理解できれば丸暗記は不要です。
関連記事より、前置詞の意味や使い方など解説しています。前置詞のイメージなどを理解できれば、Putを使った句動詞の意味・イメージがより分かりやすくなるでしょう。品詞について理解を深めたい方は、ぜひご参考ください。
Putを使った熟語・イディオムを以下表でまとめました。「置く」とはかけ離れている意味として使われるフレーズが厄介ですね。
番号 | 熟語・イディオム | 意味 |
1 | Put across:はっきり意見を述べる | He put his views towards politics across really well. 「彼は政治に関しての意見をはっきり述べた」 |
2 | Put aside:無視する、蓄えておく | They put aside their differences to be friends. 「彼らは友達になる為、価値観の違いを無視する」Parents should put aside their time for their children. 「親は子供のために時間を蓄えておくべき」 |
3 | Put away:(物を)いつものところに戻す、 | I put my keys and wallet away after I got home.「家に着いたら鍵と財布をいつものところに戻す」 |
4 | Put back:元へ戻す、遅らせる、後退させる | Please put the book back after you finish reading it. 「読み終わりましたら元の場所に戻して」The concert was put back due to the storm. 「台風のせいでコンサートは遅らせた」The economy has been put back because of Covid. 「経済はCOVIDのせいで後退させた」 |
5 | Put down:やりこめる、(物を)下に置く、(~を)書く、(赤ちゃんを)寝かせる |
Stop putting yourself down, you are doing fine!「自分をやり込めないで、あなたはそのままでいいから」 Please put your pencil down. You need to put down your name and phone number so we can contact you in case of an emergency. Can you be quiet? I just put the baby down. |
6 | Put down for:登録する | I will put you down for the swimming class. 「あなたに水泳レッションを登録してあげた」 |
7 | Put down to:〜の理由で | His mistake can be put down to the lack of time. 「彼のミスは短時間のせいです」 |
8 | Put forward:提唱する、早める | She put forward her ideas about the upcoming event. 「彼女は近々のイベントについて自分の意見を提唱した」The conference has been put forward by a week. 「会議は1週間も早く押さえられた」 |
9 | Put in:(時間または努力を)注ぎ込む、(物を)入れる | I put in 3 hours each day to study for the TOEIC. 「毎日3時間を過ごしてTOEICを勉強する」I put a new sink in the kitchen yesterday. 「キッチンに新しいシンクを入れた」 |
10 | Put in for:申し込む | You need to put in for your language test. 「言語試験に申込しなきゃ」 |
11 | Put off:延期する、気をすぐ、いやがせる | You must go to the hospital!You should not keep putting it off. 「病院に行け!ずっと延期するべきではない」That job pays well but I was put off by the long hours. 「その仕事は良い給料ですが長時間でやりたくない」 |
12 | Put on:(服、帽子、靴などを、化粧) 着る/はく/被る/する、(体重)を増す、(〜の)ふりをする、(映画、ドラマ、プレー)出す | You need to put on more clothes, it is cold outside. 「外が寒いのでもっと服を着て」I have put on 10 kilograms since I got married. 「結婚してから体重は10キロも増えました」She put on a happy face even on the funeral day. 「彼女は葬式の日でも大丈夫なふりをした」Recently our theater has put on many great shows. 「最近近所のシアターが良いショーをたくさん出している」 |
13 | Put out:(火・光)を消す、失わせる | The 10-year-old boy put out the fire and saved his family. 「10歳の男が火を消して家族を助けた」His team was put out of the league by my team. 「彼のチームは私のチームに負けてリーグに追い出された」 |
14 | Put through:(電話で…に)つなぐ、(〜を)やり遂げる | Please put me through your customer service team. 「カスタマーサポートチームにお繋ぎください」He has put himself through a tough training week. 「彼はハードのトレーニングを1週間やり遂げた」 |
15 | Put together:寄せ集める、組み立てる | We had put together a team of 5 to start our own project. 「私達はプロジェクト開始するため5人チームを寄せ集めた」I put together the IKEA shelf all by myself. 「私はこのイケアシェルフを自分で組み立てた」 |
16 | Put up:建てる、(かべに)かける、上げる | Let’s put up the tent before it gets dark. 「雨が降る前にテントを張らなきゃ」Let’s put the picture up on the wall. 「この絵をかべにかけましょう」Please put your hand up if you agree to the solution. 「この解決方法に賛成したら手をあげてください」 |
17 | Put up to:突く | He could not have done this himself. Someone must have put him up to it. 「彼は自分自身でこんなことができなかったはず。誰かに突くらせたはず」 |
18 | Put up with:〜を我慢する | I have been putting up with his bad behavior for years but I don’t want to do it anymore. 「彼の悪い習慣を何年間も我慢したがもうしたくない」 |
Putには「置く」以外にも複数の意味があり、ネイティブは上手に会話で使い分けています。では、私たちも全ての意味を暗記しなくてはいけないのでしょうか?
実際は丸暗記することなく、Putの意味を全てたった一つのイメージで理解することができます。Putのコアにあるイメージを理解すれば、Putをネイティブのように使いこなせます。
Put=「置く」が主流の意味・イメージですが、「物をある場所に配置させる」のコアイメージを持つと、「置く」以外で使われている表現も納得できます。
「置く」と限定的な観念にとらわれてしまうと「なぜ着るや書くこともPutが使えるのか?」など、幅広い用法に対応できなくなるため要注意です。
Put=「配置させる」というコアイメージをご紹介しましたが、ただ置くだけでなく「配置」と定義したのは、「上から物を置く」だけの意味に限定せず幅広い位置のイメージを持たせる理由があります。
「配置・位置」という表現には幅広い捉え方・考え方があり、上記のような意味がPutのイディオムで言うことができます。
そのため、便宜上「Put=置く」と説明することもありますが、厳密には「Put=場所や物体を問わず配置・位置する」ことが本来の意味であり、コアイメージだと言えます。
中学の英語授業を通して、「Putは置くという意味」といった固定観念がついてしまっている人もいるでしょう。間違いではありませんが、実用的な英語力・英会話スキルを身に付けるためには一度忘れてしまいましょう。幅広いコアイメージに認識を置き換えておくと理解スピードが向上します。
Putの持つコアイメージが「物をある場所に配置・位置させる」と説明しましたが、対象となる物体は人・動物、または見える物に限りません。意見・時間・努力などのような見えない物でも、「配置する」ことができます。「場所」も見える・見えない場所が使われます。
「物をある場所に位置させる」というコアイメージで覚えて想像すれば、非物質を対象にした表現でも理解がしやすくなります。Putの主な6つの意味は以下の通りでしたね。Putのコアイメージから考えるとよくわかるはずです。
では、Putの主要6つの意味をコアイメージを使いながら確認していきましょう。
Putの主な6つの意味・用法を以下でまとめました。例文と合わせて確認してみましょう。
物または人をどこに配置するのか。Putの一番基礎的な使い方です。品詞の関連記事として、英語の名詞の種類・使い方でもご紹介しております。
Put + 名詞(人・物)+ 前置詞 (+ 場所) |
例文でチェック
名前、情報、署名などを紙にまたはPCフォームに記入する時使う。文字を紙またはフォームの上に置くイメージです。
Put + 名詞 (名前や情報など)+ 前置詞 |
例文でチェック
自分の言葉や考えを体の中から外に配置するという感じでしょうか。そこから表現する・述べるという意味になります。
例文でチェック
人・動物を状況に配置させる。コア意味から考えると人・物・動物を見えない場所(状況)に置くというイメージです。辞書的には「受けさせる」とありますが、「置く」と変換して考えても問題ありません。
Put + 人・動物・物 + 前置詞 + 状況 |
例文でチェック
金・努力・時間・信頼を投入する時に使われます。Putのコアイメージから考えると時間やお金などを人・物に置く様子です。
Put + 金・努力・時間・信頼 + in/into + 名詞 |
例文でチェック
人・物を評価するとき、同じ種類の人物と比較して評価するという意味。人または物をランキングの中に置くというイメージです。
Put + 人・物 + 前置詞 + ランク |
例文でチェック
そのほか、Putのイディオムで表現できるスラングもご紹介します。くだけた表現なのでフォーマルな場では不適切ですが、友達との英会話では自然に使えますね。
また違ったスラングのニュアンスになるものの、根本的なPutのコアイメージに即した表現であることはお分かりいただけるかと思います。未確認のイディオムでも、コアイメージや前置詞・副詞からある程度の意味は推測できるでしょう。
これまでPutの意味について説明しましたが、英単語には似たようなものが多く存在します。
特にPutでは、同じように「位置する」意味になる「Set」や「Place」など、類似する動詞がいくつかあります。大枠的には同じような意味になりますが、細かいニュアンスは異なりますのでそれぞれ比較してみましょう。
Putとの比較で、同じく「置く・位置する」意味があるSet・Lay・Restがあります。どれも似たような意味ですが、置く・位置することのニュアンスが変わります。
putは言わば、ポンと置いておくようなイメージで「I put cookies on the table.(テーブルの上にクッキーを置きます)」など、気兼ねなく置きます。
対して「Set」は、ただ位置するだけでなく特定の場所へ固定するような置き方となります。
例文で「I set a flagpole in concrete.(コンクリートに旗竿を埋め込んで立てます)」と表現できるように、動かないように置くイメージです。日本語でも「カメラをセットする」と言うように、設置的な意味合いが強くなります。
ただ、PutとSetは割と似たような意味になるので、同じ前置詞・副詞で以下のような表現ができます。
Put/Setの後に続く単語 | Putの句動詞 | Setの句動詞 |
aside | 〜を取っておく | 〜を取っておく 〜を無視する |
down | 〜を書き留める 〜を下に置く |
〜を書き留める 〜を下に置く |
off | 〜を延期する | 〜を爆発させる 〜を引き起こす |
out | 〜を消す | 出発する |
up | 〜を上げる 〜を建てる |
〜を設立する 〜を提唱する |
Layも別のニュアンスがあり、「横になる・水平に置く」イメージが付与されています。
例文で見ますと、「My cat lay on your stomach.(私の猫があなたのお腹の上で横たわっています)」と言うように、対象の人や動物が横になる感じですね。
また規模感が大きくなると、街や都市・川などの自然が広がっている様子もLayで表現できます。「The Bermuda Triangle lies in the Caribbean Sea.(バミューダトライアングルは、カリブ海にあります)」などの使い方ができるでしょう。
Restは「レストチェア」という言葉が使われているように、何かに支えてもらって置くニュアンスが加わります。
これも例文で紹介すると「I rested the ladder against the wall.(ハシゴを塀にかけました) 」と、塀・壁にもたれかかっているハシゴを想像できますね。寄りかかるという意味合いでの置くが、Restのイメージとなります。
また、Putとの比較で「Place」と「Position」も似たような動詞となります。この二つも、置き方のニュアンスで異なる部分があります。
Placeを使う場合には、Putよりも慎重になって置く・位置するイメージがあります。ただ置くのではなく、注意深く・慎重になって置く動作となります。
「I carefully placed the vase on the shelf.(慎重になって花瓶を棚を置きました)」という英文が一つの例で、注意深く位置する様子が伺えます。
また、Positionにも別の意味があり対象の位置や向きを考慮するイメージがあります。
ビジネスで使う「ポジショニングマップ」やサッカーの戦術である「ボジショナルプレー」など、他の人・物との位置関係や距離感などを意識する考え方となります。
「We positioned the table in the center of the room.(私たちは部屋の隅にテーブルを置きました)」など、部屋の配置などを考慮した言い方ができますね。
Putの比較対象として「Leave」の動詞もあり、こちらに関しては進行形的な時制の意味合いがポイントとなります。
Putは置く・位置する瞬間的な動作を示すので、時間軸で表すと一瞬の出来事が対象となります。
例えば「I put my keys and wallet away.(鍵と財布を元の場所に戻しました)」の英文表現では、鍵と財布を置く一瞬の動作が対象となり、その後の状態には触れていません。
対して「Leave」は厳密に言うと「置く」意味はなく、「残す・そのままでいる」状態を示します。よく「 Leave something somewhere」のフレーズで忘れて物をする、といった言い方がされます。
「I leave my keys and wallet at your house.(鍵と財布をあなたの家に置き忘れています)」など、置くだけでなく置いた後の状態も意味に含まれています。
そのため、現在形(または「left」の過去形)で使う場合でも、実質では現在・または過去のとある地点まで残されていることが続いているようなイメージです。
Putの用法やイディオムを覚えるほか、類似する英単語・フレーズを覚えておくことでより英語の表現力が向上します。
大事なのは「置く」など決まった意味で固定するのではなく、Putのコアイメージ「物をある場所に配置する」を掴めば、暗記をすることなく幅広い表現をアウトプットできます。
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