日本人が英語など第二言語を勉強したい場合、第二言語習得理論を参考に効果的な学習方法を確認しておくといいでしょう。
第二言語習得理論より、母国語以外の言語を学習する際の仮説や科学的なメソッドが分かります。
などを軸に、これから英語を学習する方向けの正しい独学方法をご紹介いたします。科学的な理論と言われると難しそう…というイメージもあるかもしれませんが、要点をおさえておくだけで英語が上達するコツが分かりますので、ぜひご参考ください。
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第二言語習得理論は英語で「Second Language Acquisition」といい、省略して「SLA」と言われることあります。
ここでは、母国語が日本語の方が第二言語として英語を学ぶことを想定していますが、中国語やフランス語など他言語でも同様に、習得までのプロセスを科学的に説明できるでしょう。
第二言語習得理論は1960年代から研究が始まり、様々な学者によって理論が立てられています。
第二言語習得では、言語学のほか社会言語学、心理学、神経科学など多くの学問と関連しており、第二言語習得理論という大枠の中に複数の理論があるといった位置付けです。
そのため、第二言語習得理論は一つのメソッド・体系でなく様々な観点・学者より提唱されたものであり、第二言語習得理論全体で言うと、肯定的な意見もあれば否定的な側面もあります。
その中でも、特に重要な「インプット理論」と「自動化理論」に焦点を当てて以下で解説しています。こちらの二つは日本人が英語学習をする上で実践的、かつ効果的な知識がありますので、ぜひご参考いただければと思います。
こちらのページでは第二言語習得理論の要点・重要な部分に絞ってご紹介しますが、より詳しく知りたいという方は以下の参考書籍が役立ちます。
★英語教師のための第二言語習得論入門
第二言語習得理論の解説書として評判高く、「英語教師のため」というタイトルですが、これから英語を学習する方にとってもおすすめです。
第二言語習得理論のエッセンスとして、日本人が英語を話せない理由やインプット・アウトプットのノウハウ、さらには学校の英語授業に関する課題と対策などが紹介されています。
以下で紹介している理論も、こちらの書籍から参考に解説しています。要点を確認したい方は、筑波大学のサイトに掲載されている資料もご参考いただけます。
第二言語習得理論を基に英語学習をすることで、効果的なスキルアップが期待できます。今まで独学や英会話スクールを続けていたけど上達せず失敗してしまった方も、見直してみてはいかがでしょうか。
科学的な根拠から実証された理論なので信頼性が高く、「友人が英語を話せるようになった方法だから」とか「英語ができるようになった人のブログで見た学習方法だから」という根拠よりも再現性で期待できます。
少なくとも今実践している英語学習方法や独学で効果が出ていない方は、専門家による研究が進められている第二言語習得理論を参考にすることで、自分の苦手分野や対策するべきポイントが見えてくるでしょう。
第二言語習得理論のポイントとして、言語学習効果の最大化があります。
より効率良く、短期間で言語を習得するために何をすればいいか分かりますので、「来年までには海外留学したい」とか「次のTOEICテストでは600点以上を目標としている」など明確な目標がある方は計画的に英語学習を進められますね。
第二言語習得理論の一つで「自動化理論」と呼ばれているものは、無意識下での言語理解という仮説があり、いわゆる英語脳の適応がされます。
英語脳について以下の関連記事でもご紹介していますが、実践的な英語スキルを身に付ける上では欠かせないポイントです。英語を日本語に翻訳せず、英語のまま理解してインプット・アウトプットができるようになるのが英語脳です。
英語ができない人や、英文法や英単語は理解できてもネイティブとの英会話で全然話せない人の原因として、この英語脳の理解不足があります。英語など言語習得は、単なる文法や構文・単語などの知識だけでなく対外コミュニケーションのスキルがメインとなりますので、第二言語習得理論を参考に英語脳を作るメリットは大きいですね。
具体的に第二言語習得理論の内容を説明すると、まずは重要なポイント・仮説であるインプット理論から見ていきます。要点は以下の通りで、シンプルに言うと英語が話せない人=インプットが不足していますといった話です。
インプット理論によると、言語の習得は聞いたり読んだりするなどインプットによって起こるものとされています。これは言語学者のクラシェンが提唱した理論・仮説で、ポイントしては、個人の言語能力レベルよりも少し上のインプットをすることで言語習得が促進します。
英語の例にすると、現在形や過去形など基本的な時制を理解している人が、「I have been studying English for two months.(英語を勉強し始めて2ヶ月になります)」と、少し難易度の上がる現在完了形を学ぶケースが上記のインプット理論にあたります。
イメージとしては、実際の英会話で相手の言っていることや意見などを理解し合う目的で、 英語表現を修正・言い換えする相互交流的な言語活用が習得を促すとされていますので、インプットの量を増やして徐々に理解度のレベルを上げていくことが近道となるでしょう。
初心者の方は特にインプット重視で、バランスとしては大量のインプット+少量のアウトプットから実践するといいでしょう。以下のような英語学習の失敗例も考えられますので要注意ですね。
★インプット理論から逸脱した例
英語を話せるようになるためには実践的なトレーニングも大事ですが、前提として英語の基本的な知識のインプットが必要です。
インプット量を増やすことのメリットとして、予測文法の適応もされます。
予測文法は構文・文法の理解が深まることで、次にどのような単語・フレーズが来るか無意識下で想定できるスキルとなります。
例えば日本語で「私はその猫を『シナモン』と…」という文章があった場合、後に続く言葉として「名付けました」とか「呼びました」などが想定されますよね。
同様に英語の場合も予測文法に従うと、という英語を聞くと次に猫の名称が来るという想定が可能となります。この予測文法やリスニングやリーディングで重要なスキルになり、言語のスムーズな理解に役立ちます。
インプット理論に関連して、第二言語習得の専門家であるスウェインはアウトプットの重要性を指摘されました。
いわゆるアウトプット理論(または仮説)と呼ばれているものですが、言語習得においてインプットだけでなくアウトプットで補完する必要がある考え方です。
スピーキングや表現練習などアウトプットを繰り返すことで、表現できないフレーズや文法・構文などを気づくきっかけとなり、より上達するためのインプットへとつながります。
そのため、インプットだけ・アウトプットだけではなく、それぞれのバランスを考えて両方を実践することが大事ですね。
第二言語習得理論にはもう一つ重要な考え方があり、「自動化理論」のポイントもおさえておくといいでしょう。上記でご紹介しましたインプット理論と関連性が高く、それぞれの掛け合わせでより効率的な言語学習ができます。
自動化理論を簡単に説明すると、言語に関する知識を身に付けて(インプットして)反復的な練習をする(アウトプットする)ことで、言語を徐々に使えるようになる考え方となります。
つまり英語のインプット・アウトプット学習を継続すると、無意識で英語を利用・理解できるといった内容が自動化理論にあたります。
これも英文法で例を挙げると、英語初心者の方にとって「You must」と「You should」など助動詞の使い分けについて、どちらが正しいか迷ってしまうこともありますよね。
これが自動化理論が適応されると、「You must stop here. (義務的な命令)」「you should go home. (提案的な命令)」の使い分けを都度考えず自然に表現できるようになります。
ただ、自動化理論では欠点もあり、どのような言語ルールにも適応される訳ではありません。複雑な構文や文法まで無意識での理解・活用は難しく、自動化理論で全て網羅できるとは考えにくいですね。
あくまで、構文や文法・単語のインプット→スピーキング・表現のアウトプットを反復→実際の言語コミュニケーションで学習したことが自動的に使えるようになる、といったロジックとなります。
自動化理論は日常的な言語学習でのインプット量や、反復的なアウトプット量を確保することで効果が発揮されます。
考え方としては上記でご紹介したインプット理論の延長線上に自動化理論があり、英語初心者の方はまず英語の基礎を学ぶところから始めるといいでしょう。
第二言語習得理論の要点を確認した上で、これから英語を話せるようになりたい方向けの学習方法をまとめましたのでぜひご参考ください。
特に英語初心者向けの対策としてh、インプット量を増やすことが最優先されます。
など、独学でしっかりと身に付けることが重要です。インプット理論に従うと自分の英語レベルよりも少し高い情報を学ぶ必要がありますので、難易度が多少上がるリスニングの音源や教材などを参考に勉強するといいでしょう。
インプットの量は大事ですが、暗記だけに頼る英語学習になると負担が増えてなかなか勉強が続かないケースも考えられます。
以下で説明していますインプットとアウトプットの繰り返しにもつながりますが、ただ文法や単語を覚えるだけでなく、自分で英文を作ってみたりスピーキング練習で繰り返し発音することで英語スキルが身につくでしょう。
英語の基本学習で学術的な観点からアドバイスをしますと、形式文法と機能文法をバランスよく実践することも効果的です。
★形式文法とは
文法的な観点から学習をする方法で、日本国内において学校などの英語教育で一般的なやり方です。
★機能文法とは
文法よりも意味に焦点をおく学習方法で、言語学者:ハリデーによるの理論です。ポイントとして、文法的な解釈よりも話し手や書き手が何を伝えたいかが検討されます。
当サイト:Aloha English英会話のレッスンでは、機能的文法を主に取り入れています。理由は日本で形式文法(インプット)を学習された方がほとんどであるからです。
機能文法(アウトプット)をしていない人が多い傾向なので、機能文法を学習することで英語力が伸びる人が多いですね。詳しくは、形式文法と機能文法の解説ページよりご参考ください。
上記の形式文法と機能文法を基に説明しますと、インプットの形式文法から学習をして、機能文法をベースとするアウトプットへと移行して繰り返すことが大事となります。
インプット理論や形式文法など専門的な内容でお話ししましたが、シンプルに言うと英語学習はインプット学習だけでなくアウトプットの両方で、バランス良く勉強することが一番です。
スピーキングや発音練習などアウトプットも繰り返し、自分が苦手とする英語の発音や表現・フレーズなど明確になり、自分の英語力や弱点を客観的に判断できるでしょう。インプットだけだと地道で大変と思われるかもしれませんが、しっかり勉強した分だけアウトプットで成果を実感できますので、ぜひ独学から学習習慣をつけるといいですね!
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