StartとBeginはどちらも「始める」を意味する動詞で、中学英語で習った覚えがある人も多いでしょう。
ただ、どちらも同じ「始める」でどのように使い分けをすればいいのか分からない…そんなお悩みもあります。そこで、こちらのページではStartとBeginの違い・比較などを解説します。
など、一通り理解できることで英語表現力が上がります。StartとBeginの違いをおさえて、日常会話でぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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最初に、StartとBeginの大まかな比較をしてみます。基本的な意味は同じですが、使うシーンでの使い分けができます。
以下例文のように、「映画は8時に始まります」の「始まる」という意味でStartとBeginが使われます。
StartとBeginは同じ意味で使われることが多く、進行形にした場合でもStartingとBeginning、それぞれの置き換えが可能です。
ただ、シーンに応じてStartとBeginの使い分けができます。話し言葉的なカジュアルなシーンであればStartが無難で、ビジネスシーンなど畏まった表現をするのであればBeginが適切です。
友達や家族と会話するような感じのコミュニケーションでは、始める・出発するなどの意味でStartが使えます。
上記の例文のように、日常会話での英語表現はStartが一般的です。
海外のサイト:Cambridge DictionaryでもBeginについての特徴が述べられています。
We can use the verbs begin and start to mean the same thing but begin is more formal than start.
上記の英文は、StartとBeginは同じ意味だが、Beginはよりフォーマルであるという説明になります。
Let us begin this meeting with a presentation by the manager of marketing.(マーケティングマネージャーによるプレゼンでこの会議を始めさせていただきます)
そのため、この例文ではStartも使うことは可能ですが、Beginを使ったほうがフォーマルな表現として好まれるでしょう。
より細かいニュアンスでStartとBeginを比べてみると、以下のような違いがあります。
日本語にすれば同じ始まる意味合いですが、継続性などで使い分けができます。
Startは急に始まっていたり、止まっていたものが動き出す・発進するイメージがあります。始まる瞬間だけでなく、静→動の変化や継続的な進行・動作がコアとなります。
分かりやすい例が、電車など乗り物の出発があります。以下がStartの例文で、発射してから連続して進んでいる乗り物をイメージできます。
旅行や仕事などが始まる表現も、ただ開始するだけでなく継続的に進むイメージがあるのでStartを使います。
旅行やプロジェクトは短期的なものもありますが、数日〜1ヶ月と継続するようなニュアンスからStartでの表現が一般的です。ビジネスに関する計画・プロジェクトもStartが自然ですね。
また、パソコンや家電などの機械も一度動き出すと継続的な動作・様子になりますので、Startが使えます。
Oh no! The washing machine won’t start again.(なんてこった! 洗濯機がもう動かなくなっちゃった)
機械を動かすときは常に「Start」を使います。対して、The washing machine won’t begin again.」とBeginを使うことができません。
スタートボタンというくらいですので、車や洗濯機、芝刈り機などを対象にした起動的なスタートではBeginと意味が合わないと考えられます。
一方で、Beginのコアイメージは始まり・始点にあります。
などの要素がある場合、Beginの方がより適切な表現となるでしょう。
Beginを名詞化したもの(動名詞)はBeginningと言いますが、始まりといった意味になります。
「Every story has a beginning.(全ての物語・ストーリーには始まりがあります)」といった英文のように、初めの時点・地点にフォーカスされます。そのため、始まってから進行・継続的な要素があるStartとは異なり、より短期的・一瞬の時点が強調されると言えるでしょう。
また、日本語でも使うビギナー(Beginner)も同じようなニュアンスで、初学者・初心者という意味もこれから始まる・第一歩を踏み出すイメージがあります。
何かをし出す・始める動作について、以下例文のようにBeginで表現できます。〜し始める・切り出すなど、始まったこと・変わったことに焦点を置きます。
StartとBeginにはそれぞれ対義語があり、対立する英単語からも比較がしやすくなります。
Startの対義語はStopで、イメージとしては続いていたことが止まる・終える感じですね。
時間軸的な要素があり、StartからStopまで時が流れている・連続しているような想像ができれば、Startのコアイメージが掴めるかと思います。
Beginの対義語はEndで、物事の終わり・終点というニュアンスがあります。
簡単なイラストで比較してみましたが、EndはStopと比べて止めるより終わる要素が強いですよね。そのため、時間の流れよりは始点と終点といった点でとらえるような表現となります。
ほかにもStartとBeginの細かい違いはいくつかありますが、上記で説明したフォーマル・カジュアルの区別とあわせて、時間軸的な差異を理解できればネイティブに相応するアウトプットができるでしょう。
これまでの解説を踏まれて、StartとBeginの違いを確認できる練習問題を5つ用意しました。
以下の5問について、—–に入るのは「StartとBeginの両方が使える」「Startだけが使える」「Beginだけが使える」3択になります。
答えは以下の見出し下にまとめて記載していますので、まずはこちらの5問を全て解いてみましょう。
第5問は日本語でも聞いたことがあるような、ことわざになります。StartとBeginの両方が使えるか、どちらか一方だけか考えてみましょう。
以下でまとめて、練習問題の解答を記載しました。全問正解でなくても、これから理解できればいいので問題ございません!
1と2は、ビジネスに関することや機械など、Beginでは使わない英語表現なのでStartが正解となります。また、5は「始めよければ終わりよし」のことわざで、「End/Ending」の終わりから対になるBeginが正解となります。
StartとBeginに関して、文法的な疑問も多くいただきます。その一つが、Start toとStart ~ingの違いです。
StartやBeginの後に、始める動作を示す動詞を入れる場合には to + 原形またはing形が入ります。いわゆるto不定詞とing形の使い分けについて、考えてみましょう。
以下例文のように、StartやBeginの後に置かれるtoは名詞的用法の不定詞で、一般的にはto不定詞と呼ばれます。
〜すること、と動詞を名詞化する役割がtoにあり、詳しくは関連記事でも解説しています。また、例文にもある現在進行形(~ing)では、以下で紹介する動名詞よりto不定詞が使われる傾向にあります。
動詞の名詞的活用ではing形の動名詞もあり、これもStartやBeginと組み合わせることが可能です。
to不定詞と同様に、〜することといった具合に動詞を名詞として扱うことができます。
to不定詞と動名詞は、どちらも基本的には同じ意味になります。ただ、ニュアンス的な違いに触れると、to不定詞は未来的な要素があるのに対して、動名詞は過去の要素や習慣的な意味があります。
I’m StartingやI’m Beginningなど、進行形の場合にはto不定詞が使われるのも未来へと向かう「to」のイメージが影響しています。
また、「I started studying English.」と動名詞で表現する場合には、過去の一時的な勉強だけでなく現在に至っても勉強が習慣になっていることが読み取れます。
StartやBeginはそれぞれ「始まる」意味ですが、何かを始めることについて表現できる動詞は他にもあります。
commenceは「始まる」意味で、Beginとほぼ同じのニュアンスになります。かたい表現で、主に書き言葉で使われます。
Beginと同じイメージで、「The contest will commence in Sapporo.(このコンテストは札幌で始まります)」など、始点・始まることにフォーカスされます。また、commenceの対義語はcompleteで完了を意味します。
形式ばった表現で、日常会話ではあまり使いません。なので、BeginやStartを日常会話で活用しておけば問題ないでしょう。
Initiateもかたい表現で、Beginと似ているニュアンスです。事業や計画などの始まりを意味し、「We have to initiate a plan.(私たちは案を新たに立てなければなりません)」といった使い方ができます。
ビジネスシーンにおいて「initiate new methods(新たな方法を始める)」や「initiate the meeting(会議を始める)」など、フォーマルな表現ができるでしょう。これもStartのような継続的な要素はなく、新たな第一歩・始まりの瞬間が重視されます。
始まる表現ではOpenが、日本語でもよく聞く単語ですね。「She opened the letter.(彼女は手紙を開けました)」など開ける・開くなどの意味もありますが、「The store opens for business next week.(このお店は来週開店します)」など開業の表現ができます。
アルバイトでもオープニングスタッフ募集など言われるように、お店のオープンで活用できますね。また、Q&AサービスのHiNativeには、Openについて以下のような見解がありました。
Or it can mean the beginning of something. For example, the opening of a play is the first scene and the opening of a paper could be either the first sentence or first paragraph.
▷外部サイト:hinative beginning と starting と opening はどう違いますか?
何かの始まりでOpenが使われることもあり、例えば劇の冒頭・最初のシーンや論文や小説などの最初のページ・パラグラフなどが該当します。
StartとBeginの違いを一通り解説しましたが、Startは継続的な表現や旅行・機械などの始動で使えます。一方でBeginは始点的なスポットでの表現・イメージがあるので、この違いを理解できれば使い分けができるでしょう。
他にも以下の通り、日常会話で使えるStartとBeginのイディオムをまとめました。前置詞との組み合わせで、幅広い表現ができます。
前置詞の使い方・イメージも理解しておくと、初めて見るイディオムでもある程度意味が想像できるでしょう。
英会話・英語表現が苦手という初心者でも、日常会話から対応できるようになるポイントとして、英語表現の活用・幅が広い基本動詞の習得が大事です。
StartやBeginも基本動詞の一つで、意味こそは単純ですがコアイメージから様々な言い方ができます。難しい英単語を無理に覚えなくても、頻度の多い基本動詞だけおさえておけば役立つでしょう。
詳しくは以下の関連記事より、厳選した基本動詞を解説しています。それぞれの単語のイメージ・意味を理解して、ぜひ英会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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