仮定法過去完了について簡単に説明しますと、過去に起きた出来事に対して「あの時〜であったら、〜であっただろうに」と、過去における現実とは違う仮想的事象・存在に対する願望を伝えることができます。
などなど、過去のことについて振り返ったり、「もしも〜だったら」と現実にはなかった出来事について仮定法過去完了で表現します。
ただ、英文法の中で仮定法はちょっと複雑で、仮定法過去との使い分けやif節以外の表現など様々な言い方がありますので、文法に関する内容を中心に一通り解説いたします。
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英語表現の仮定法過去完了ついて、はじめに例文から確認していきましょう。
If the meeting had been canceled yesterday, I would have gone shopping.(もしも昨日、会議がキャンセルになっていたら、買い物に行っていただろう)
このように、過去において「もしも〜だったら」という仮想を指定した上で、したいことや後悔していることを表現していますね。仮定法のポイントでは現実では起きなかったことを前提としており、上の例文を整理すると以下表の通りです。
仮定法過去完了と実際の過去 | 仮想的事象と現実の違い | 願望と現実の違い |
仮想的な過去 | 会議はキャンセルになった | 買い物に行っていた |
実際の過去 | 会議は通常通り行われた | 出席したから買い物には行けなかった |
仮に「昨日の私は」会議がなければ買い物していたけど、実際には会議があったから行けなかったなあ…と、この仮定法過去完了で願望・後悔を言えますね。
上記の例文では「had been」や「would have gone」など過去分詞を使っていますが、ある程度英語の時制について把握されている方は「過去形のことを表現しているのに、更なる過去・大過去を意味する過去分詞にどうしてなるの? 時制がズレていない?」と疑問を感じることもあるでしょう。
英語の時制パターン・文法について別ページでも解説していますが、過去地点からさらに昔・過去について表現する過去完了形では、確かに通常の過去形・過去時制として使ったら時間的には間違っていますよね。
ただ、仮定法過去完了ではあえて過去完了(過去分詞)を使う理由があり、英語の時制については時間的な距離だけでなく実際にあった現実との解離や距離感も意味するため、過去にあったことで現実にはなかった仮想的事象・存在を伝える背景もあり過去完了が使われます。詳しくは以下の参考記事でも取り上げております。
仮定法過去完了の例文・表現パターンをご紹介する前に、ありがちな間違い・使い分けが難しいポイントである仮定法過去との違いも整理しておきましょう。
仮想的事象・存在について過去のことであれば仮定法過去完了を使うと説明しましたが、現在の話である場合には仮定法過去で表現します。仮定法過去も、仮定法の使い分け・解説ページで取り上げていますのでご参考くださいませ。
If he kiched his boss, I would be very happy.(もしも彼が上司を蹴ったら、私はすごく喜ぶでしょう)
→現在、または近い未来の話について、現実とは違う仮定をしている。
If he had kiched his boss, I would have been very happy.(もしも彼が上司を蹴っていたら、私はすごく喜んでいたでしょう)
→過去の話について、現実とは違う仮定をしている。
過去形・過去分詞の動詞変化について、関連ページでも解説しているほか細かい表現ですが、上の例文ではポジティブな意味での「very」を使っていて、veryやsoなどの使い分けも知っておくといいでしょう。
仮定法過去完了のフレーズはif節と助動詞(主節)による二文構成が一般的ですが、他にも日常英会話で使える言い回しがありますので、例文とあわせてチェックしておきましょう。
仮定法で基本の形になるのはif節と助動詞を使う主節で、それぞれ過去分詞の表現になります。「if + 主語 + 過去分詞~, 主語 + 助動詞の過去分詞~」という語順で、主節で使える助動詞は以下の3種類を主に使います。
それぞれの助動詞は似たような意味ですが、それぞれ意志や可能表現など使い分けができますので関連記事などでもチェックしておくといいですね。
If it had rained last weekend, I would have ordered pizza over the phone.(もしも先週末雨が降っていたら、電話でピザを注文していたであろう)
If it had rained last weekend, I couldn’t have run.(もしも先週末雨が降っていたら、走れなかっただろう)
If it had rained last weekend, I might have gone to the station by taxi..(もしも先週末雨が降っていたら、タクシーで駅に行ってたかもしれません)
例文の通り、仮定である仮想的事象・存在も、それに対する要望や推測についても過去の話であれば過去分詞で表現します。
ただ、「もしも〜だったら」の話が過去形であるのに対し、「〜であろう」の部分が現在の話にある場合には主節は過去形で分ける必要があります。
If I had traveled to Taiwan last week, I would give you a souvenir.(もし先週台湾旅行へ行っていたら、あなたへお土産が渡せるのに)
台湾旅行へ行っていた仮定は過去ですが、「今」あなたへお土産を渡すつもりという要望であれば、主節は過去形の「would」で言いますね。
それと、if節を使う仮定法過去完了では、「if」の省略が可能です。省略する場合には、主語と過去分詞の「had」を逆にしますので覚えておきましょう。
If it had rained last weekend, I would have ordered pizza over the phone.
→省略する場合:Had it rained last weekend, 〜
また、if節を省略する表現もあり、「I wish + 主語 + had + 動詞の過去分詞形」または「I wish + 主語 + 助動詞過去形 + have + 動詞の過去分詞形」で、「あの時〜だったらいいのになあ」と、当時の希望や後悔を言いますね。助動詞を使わない「had + done(過去分詞形)」のパターンも使えます。
I wish I had been to the tax office yesterday.(昨日、税務署に行けていたらなあ)
I wish I could play the guitar.(ギターを弾けていたらなあ)
「〜していたのに」の部分を省略した言い方で、実際には税務署には行けていなく、ギターも弾けていない過去について、事実とは違うことを願望として伝えています。
仮定法では「as if」も使いやすい構文で、「(実際は違うのだけど)金持ちであるかのに、彼は高額の買い物をした」など、実際とは違う事象や動作などをしたように振る舞った、といった表現をします。
He bragged to everyone as if he had succeeded at work.(あたかも仕事で成功したかのように、彼はみんなに自慢をしました)
The robot spoke as if it had been alive.(あたかも生きているかのように、そのロボットは話した)
「I wish」の仮定法過去完了と同じような使い方で、「if only + 主語 + had +過去分詞形」で「〜してさえいればよかったのに」と後悔を表現します。
If only I had watched a famous drama last week.(先週、有名なドラマを観てさえいればよかった)
このように、現実にはなかった過去について様々な言い方ができます。
現在に限らず、過去の内容について「〜であればよかった」など、願望や後悔を伝えるなら仮定法過去完了のフレーズを活用するといいですね。
また、仮定法過去との比較でもお伝えしたように、英語では時制の使い分けが重要で現在・過去・未来だけでなく進行形や完了形など様々なパターンがあります。英語表現で重要な12種類の時制を確認するほか、以下の関連ページで基本を知っておくといいでしょう。
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