to不定詞は「to + 動詞の原形」で表現されるもので、定まっていない不定詞ということから名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法など様々な使い方ができます。
などなど、to不定詞に関する基本的な内容や用法の違いなど、こちらのページで解説していきます。
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英語の不定詞は「定まっていない・限定的な語句でない」意味から、他の品詞の働きをします。そのため、不定詞では過去や未来などの時制や主語(三人称など)などの影響も受けず、不定詞=動詞の原形というルールがあります。
また、to不定詞という場合には「to + 動詞の原形」が基本の形になりますが、そもそもto不定詞がどういった意図で使われるのか最初に確認しておきましょう。
詳しくは以下でもご紹介しますが、to不定詞は名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3種類があり、本来動詞であった英単語を「〜すること・〜するために」などと言い換えることが可能です。
to不定詞はネイティブの日常英会話でも自然に取り入れて、日本語と似たような感覚で文章・会話表現をシンプルにさせます。
例えば日本語で「私は早く家を出ないといけない。なぜなら、バスに間に合うようにしているからだ」というより「私はバスに間に合うために早く家を出ないといけない」と、一文で言った方が自然ですよね。
それを不定詞で表現すると、「I must leave home early. + I catch the bus.」が「I must leave home early to catch the bus.」になります。「〜するために・〜することを」など、名詞化・形容詞化した動詞をスマートにくっつけることができます。
また、to不定詞のイメージ的な話をすると、「to」は未来への方向・意思を示したり右向きの矢印といった要素があります。
例えば、to不定詞とは別で「to + 名詞」の表現でも以下例文のように「〜へ行く・あげる」などto以下の対象に向かって進んでいる意味がありますよね。
この進んでいるイメージでは物理的な進行方向もあれば、「〜するだろう」と未来的志向もあるでしょう。そのため、to不定詞では以下例文のように、右向きの矢印:toが後に続く内容を補足している・説明しているニュアンスで捉えると、英会話でも取り入れやすいです。
それと不定詞ではもう一つの種類:原形不定詞もありますが、原形不定詞は「to」がつかず動詞の原形で表現されます。
原形不定詞では第五文型の使役動詞・知覚動詞で使うことが多く、特定の動詞で原形不定詞として活用される傾向にあります。詳しくは文型の解説ページでも取り上げていますので、ご参考までに。
▷英語の第五文型(〜させる・〜を感じる)について詳しく解説!
to不定詞の用法ではまず、名詞として使う名詞的用法についてご説明いたします。日本語で訳すと「〜すること」ですが、名詞的用法のto不定詞では主語(S)になるほか、目的語(O)や補語(C)など幅広い使い方がされます。
主語は分かりやすいですが、目的語と補語は少々分かりづらい部分もありますので、不安な方は英語の文型や要素について確認しておくといいでしょう。
to不定詞は主語に置くことができて、例えば「To meet him is helpful.(彼と会うことは助けになります)」と文法上では言うことができます。
ただ、to不定詞を主語にした言い方は実際の英会話ではあまり出なく、より自然に表現するには形式主語のitを使った英文にするといいでしょう。
It is helpful to meet him.(to meetの部分が仮主語のitとイコールの関係になります)
目的語としてto不定詞を使う場合、日本語訳では「〜を・〜に」などでの繋げ方ですね。「〜をしたい・〜を必要となる」など、日常英会話でもよく使う表現がありますので覚えておきましょう。
She wants to travel abroad.(彼女は海外旅行がしたいです)
We need to talk to each other.(お互いに話し合う必要があります)
下の例文では2つ「to」がありますが、前の「to talk」が名詞的用法(話すこと)で、後の「to each other」は副詞句(修飾語)としての意味合いになります。前置詞と名詞(または代名詞)を使った副詞表現のパターンも多用しますね。
また、to不定詞が補語として使われる場合には、主語に対する説明がほとんどになるため、以下例文のようにbe動詞の後に続くことが多いです。
Next week’s plan is to watch movies.(来週の予定は映画を観ることです)
英語の第二文型:SVCではbe動詞を使ったS=Cの関係性で表現するパターンがありますので、文型も意識しておくといいでしょう。
また、to不定詞では疑問詞との組み合わせもあり、「何を〜するか」「どこで〜するか」など本来は質問にする疑問形も名詞化されます。
I want to know where to meet her.(どこで彼女と会うのかを知りたいです)
I will teach you how to use the attendance tool.(あなたに勤怠管理ツールの使い方を教えましょう)
「how to(どのように〜するか・〜する方法)」などよく使うフレーズのほか、疑問詞 + to不定詞には以下のようなパターンもあります。関連記事で、5W1H(疑問詞)の使い方まとめページでも解説しております。
to不定詞では形容詞的用法もあり、「〜するための・〜するべき」という意味になります。通常の形容詞とは置く場所など異なるため以下で確認しておきましょう。また、形容詞の基本や種類の解説ページも参考になりますね。
通常の形容詞や限定用法・叙述用法の2種類があり、修飾する名詞の前と後の両方に置けますが、to不定詞の形容詞的用法では名詞の後に限られます。
Shall I get you something to drink?(何か飲み物を出しましょうか?)
→「something to drink」で飲み物
詳しくは以下で説明していますが、to不定詞での形容詞表現では直前の名詞と同格の扱いであるほか、上例文のように「〜何かをする目的のある」修飾というパターンがありますね。
形容詞的用法では、直前の名詞について説明をする補語のような役割から、名詞と同列(イコール)の関係になるパターンがあります。
We talked about a plan to go hiking.(ハイキングに行く計画について話していました)
例えば上の例文だと「a plan」が具体的に何の計画であるか「to go hiking」で説明していますね。計画=ハイキングへ行くことの同列関係が伺えます。
また、形容詞的用法では名詞に対して「〜をするため・〜をするべき」などの目的や存在意義などを伝えるto不定詞もあります。
I have an idea to solve the problem.(問題解決をするための提案があります)
He bought the desk to work.(彼は仕事用のデスクを買いました)
その提案は何を目的としているのか、その机は何のためにあるのかなど、to不定詞で伝えるやり方も日常英会話でよく使います。
また、to不定詞には副詞的用法もあり、名詞以外の品詞(動詞・形容詞など)を修飾するほか、文章全体に対しての補足など形容詞よりも幅広い用途があります。
一般的な副詞の機能・使い方でも解説していますが、副詞は他の品詞と比べてイメージが薄く正しい意味を分かっていないまま使っている方も多いですが、覚えておくとより細かい英語表現が可能になりますので、to不定詞の副詞的用法もぜひ覚えておきましょう。
動詞を修飾するto不定詞では、動作の目的・理由を説明したり結果などの補足も可能です。
Please report to me to follow the rule.(規則に従うため、私への報告をお願いします)
He grew up to be a marketing manager.(彼は成長して、マーケティングマネージャーになりました)
規則に従う目的や成長した結果など、動作に関する修飾がされます。
形容詞には感情や程度などを示す英単語が多いですが、「なぜ難しいのか」「〜であるから危険であるのか」など、原因や条件などをto不定詞で補足します。
I was sad to hear the news.(そのニュースを聞いて悲しくなりました)
The wings of a spinning fan are dangerous to touch.(回っている扇風機の羽に触れるのは危険です)
副詞については頻度や程度などを表現しますが、「too」や「enough」を修飾するto不定詞が分かりやすいですね。
This is too heavy to carry.(これは持っていくのに重すぎる・重すぎるから持てない)
He is kind enough to be loved by everyone.(彼は皆から愛されるほど優しい)
頻出する構文ではtoo…to構文(あまりに〜なので…できない)や「enough to(〜するほど…である)」など、中学英語でも習ったフレーズもありますが、いずれもto不定詞の形容詞的用法で表現しています。
また、文章全体に対して説明するパターンもあり、以下の例文や「To avoid direct expressions(直接的な表現を避けますと・オブラートに包むと)」など、文章全体に対する前置きや説明もできますね。
To be direct, I don’t like my boss.(率直に言いますと、上司が好きではありません)
to不定詞で使う3種類の用法について解説しましたが、それぞれの用法について見分ける方法や基準は以下の通りです。
名詞的用法の場合、「〜すること」と一つの名詞で判断できるので分かりやすいと思います。また、名詞以外の修飾は副詞的用法に限定されるため、これも判断しやすいですね。
少し難しいのは名詞の後にくるto不定詞ですが、直前の名詞について言及・補足している場合は形容詞的用法で、to不定詞と名詞を区切って文章全体の説明として解釈できれば副詞的用法だと見分けがつきますね。
ただ、ネイティブとの英会話では「このto不定詞は形容詞的用法と副詞的用法、どっちだ…?」などわざわざ識別する必要性はなく、重要なニュアンスはto不定詞=メインの情報を補足・説明するといった大枠的な考え方ですね。
そもそも、形容詞的用法「〜するための」と副詞的用法「〜するために」が混合になっても、そこまで困ることはないでしょう。ネイティブからすれば、「to」をつけて情報を付け足ししていますくらいの感覚でto不定詞を活用していますので、語順など基本的な文法ルールを守れば用法の区別を完璧にしなくても大丈夫ですね。
【ネイティブが捉えるto不定詞のイメージ】
ほかにも、to不定詞を使う際に知っておくべき表現や基本的な文法・語順についても確認しておきましょう。動詞の名詞化(名詞的用法)ではing形の動名詞もあるので、それぞれの違い・使い分けが重要ですね。
to不定詞では形容詞的用法の「too…to」や「enough to」でも紹介しました通り、決まったフレーズがあるので覚えておくとおいですね。
In order to change jobs, I’m going to study.(転職をするために、これから勉強をします)
「in order to」と「so as to」は同じような意味で、to不定詞の目的表現をより強調したニュアンスで伝えられます。
to不定詞を否定形にする場合、「to not do」ではなく「not to do」と「to」の前に「not」を置く語順になるので間違えないようにしましょう。
I’m happy not to listen to her boring story.(彼女のつまらない話を聞かなくて嬉しいです)
また、完了形についてもto不定詞で表現できて、過去から続いていた動作が現在でも続いている(または終わっている)ことや、過去形であるメインの文(主節)よりも過去のことである場合に使われます。
I was said to have been smart.(私は頭が良かったと言われていました・今はそうでない)
完了形では「to + have + 過去分詞」の形になり、修飾をしたい文章・主節が過去形でそれよりも前の話になった際に「大過去(過去の過去)」として完了形が使われるイメージです。英語の時制・完了表現の基本なども確認しておくといいですね。
また、英語では受け身・受動態の文法ルールで「主語 + be動詞 + 過去分詞」で表現しますが、to不定詞の場合には「to + be +過去分詞」の語順になります。
I want to be needed by many friends.(多くの友達から必要とされたいです)
通常の受動態とそこまで大きく変わらないので、「〜する・〜される」の関係性を理解しておけば問題なくto不定詞で表現できるでしょう。
それと、to不定詞の名詞的用法と動名詞は割と同じような意味で、どちらも「〜すること」と日本語で言えます。
ただ、「to」が右向きの矢印だったり未来の内容について示すニュアンスがあることから、同じ「〜すること」の名詞でも違いあります。
ですので、文法上はto不定詞と動名詞においてどちらを使っても間違いではないのですが、ニュアンス的にto不定詞・または動名詞のどちらかが不自然に聞こえるケースがあります。
【to不定詞と動名詞の比較:to不定詞が適切な場合】
I make a plan to go shopping.(買い物に行く計画を立てます:買い物に行く未来の予定なのて適切)
I make a plan going shopping.(過去の内容で計画を立てる、と言うのは不自然)
【to不定詞と動名詞の比較:動名詞が適切な場合】
My favorite thing is cooking. (私の好きなことは料理です:いつもしている習慣なので適切)
My favorite thing is to cook. (これからするニュアンスのto不定詞では不自然)
大きな間違いではないですが、to不定詞と動名詞の特徴を理解した上で、時制や「〜すること」としての意味合いを知っておくとより違和感のない英語表現ができますので、意識しておくといいでしょう。
▷関連記事:英語の時制(過去・現在・未来)の基本
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