英語の原型不定詞は不定詞の一種ですが、「to cook」が「cook」のような感じでto不定詞から「to」がなくなった形ですね。使役動詞や知覚動詞のほか、「can」などの助動詞の後に置かれるのも原型不定詞ですが、他にも知っておくべき構文もあります。
こちらのポイントについて一通り解説しますので、原型不定詞について日常英会話や作文などで使えるようにしましょう!
本来、不定詞と呼ばれるものは動詞の原型の前に「to」がついた形で、一般的には「to不定詞」と言います。
詳しくはto不定詞の基礎・3種類の用法でも取り上げていますが、to不定詞には名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3パターンあり、様々な品詞活用があり定まらないという意味から「不定」詞という名称になっています。
そのto不定詞から「to」がなくなった形が原型不定詞なので、以下例文の通り形は動詞の原型と同じですね。
I have my students clean our classroom.(生徒に教室の掃除をしてもらいます)
→「clean」が原型不定詞
You should talk at the meeting.(あなたは会議で話すべきです)
→「talk」が原型不定詞
今では不定詞=to不定詞のイメージが強く原型不定詞はレアなパターンという認識ですが、英文法に関する歴史で考えると原型不定詞の方が昔からあったようです。そのため、歴史的には本来の不定詞=原型不定詞という位置付けであり、基本的な用途としては名詞化(名詞的用法)に限定されます。
対して、原型不定詞から派生したto不定詞はより幅広い用途・活用方法があり、名詞的用法に限らず形容詞・副詞としての機能も備わりました。
そのため、原型不定詞については使役動詞・知覚動詞・助動詞の後に来る動詞などに使われますが、共通して「〜すること」といった名詞的用法のニュアンスになります。原型不定詞をカスタマイズして、様々な品詞の代わりに派生したのがto不定詞という捉え方で比較するとわかりやすいでしょう。
それと、原型不定詞は「to + 動詞の原形」から「to」を除いた形であるため、見た目は動詞原形と全く同じですね。
I study English. (英語の勉強をします)
→動詞原形の「study」:勉強をする
I make my sister study english.(妹に英語の勉強をさせます)
→原形不定詞の「study」:勉強することをさせる
同じ一般動詞の「study」で比較しましたが、動詞原形はいわゆる現在形の時制で表現される動詞です。そのため、動詞本来の意味である「〜をする」と訳しますが、原形不定詞で使う場合には「〜すること」というニュアンスに変わります。
ただ、「助動詞の後は動詞原形がくる」など、本来は原形不定詞である文法でも動詞原形と説明することが多いですが、「過去形でも未来系でも、三人称単数でもない基本の動詞の形」との意味で言っていますので、「原形不定詞と動詞原形は全く異なる動詞だ!」という訳でもないでしょう。
原形不定詞では以下の通り、3種類の用法がメインになります。関連する品詞や文型なども重要になりますが、基本的には原形不定詞だけでは使わず、他の動詞(または助動詞)とセットにします。
「can」や「will」など馴染みのある助動詞について、後に続く動詞は原形不定詞になります。ただ、中学英語でも「助動詞 + 動詞の原形」で習った覚えがある方も多い通り、原形不定詞についてそこまで意識しなくてもいいでしょう。
We will go abroad next week.(来週、私たちは海外へ行きます)
I can drive a car.(車の運転ができます)
助動詞は原形不定詞よりも、それぞれの助動詞の用法や違いについて理解を深めるといいですね。詳しくはhave toとshould・mustの比較や、以下の関連記事でもご紹介しています。
使役動詞は相手に何かをさせることを目的としており、「主語 + 使役動詞 + 目的語(人)+補語(原形不定詞)」の語順で表現します。詳しくは関連記事でもご紹介していますが、以下のような種類があります。
I made him drive.(私は彼に運転をさせました)
He let his cat play in the park.(彼は公園で猫を遊ばせました)
使役動詞を使った表現は第五文型SVOCに該当し、原形不定詞は補語の役割になります。誰か相手に「何を」させるかを説明していますが、使役動詞以外でも第五文型で言うことはできますね。
The teacher forced me to go out of the classroom.(先生は私は教室から出るように強制させた)
ただ、使役動詞以外だとto不定詞で表現するルールもありますので、使い分けをしておきましょう。原形不定詞は使役動詞・have/let/make/getなどに限定されます。
それともう一つ、知覚動詞を使った第五文型(主語 + 知覚動詞 +目的語(人)+補語(原形不定詞))でも活用できて、例として以下のような知覚動詞があります。
I looked it move.(それが動くのを見ました)
Did you see this machine cut iron?(この機械が鉄を切るのを見ましたか?)
知覚動詞や使役動詞については「look」など簡単な英単語も多いですが、基本動詞とも呼ばれているほど重要な表現になりますので、英会話のスキルアップには必要不可欠ですね。
見るや聞くなどの知覚動詞では「〜しているのを」と進行形の要素もありますので、原形不定詞をing形の現在分詞に置き換えても文法上問題ありませんね。
ただ、一つ注意点があり知覚動詞など第五文型を受動態にする場合には「to」をつける必要があります。
I looked it moving.(それが動いているのを見ました)
→受動態:It was looked to move by me.
ほかにも、使役動詞について個々によって受動態自体ができなかったり、to不定詞でも使えるケースがあるなどパターンが複数ありますので、以下で見ていきましょう。
原形不定詞の3パターンについてご説明しましたが、使役動詞の「make」や「have」についてもう少し掘り下げていきます。また、厳密には使役動詞ではないですが、「help」も似たような働きがありますね。
使役動詞で汎用性の高い「make」は以下例文のように、原形不定詞のほか形容詞を補語にして説明することも多いですね。
I make him cook lunch.(彼に昼食を作らせます)
I make my family happy.(家族を幸せにさせます)
相手にさせるのは動作だけでなく、「幸せである」ことや「快適にさせる」など状態に関することも表現できます。形容詞の種類と使い方のページも、ご参考くださいませ。
また、「make」は受動態表現にする場合、知覚動詞と同じように「to」が付きます。そのほか、受動態の基礎・文法のルールも確認しておくといいですね。
He is made to cook by me.(彼は私に料理させられます)
同じく使役動詞の「have」は「make」と多少ニュアンスが異なり、相手に「〜してもらう」意味になります。
I had a hairdresser cut my hair.(美容師に髪を切ってもらいました)
I will have my friend install the app.(友達にアプリをインストールしてもらいます)
また、原形不定詞を過去分詞に置き換えると受動態の意味合いになり、「〜される・〜してもらう」と表現できますね。
I had my radio repaired.(私のラジオを直してもらいました)
「〜してもらう」の意味が強いため、「make」と違って受け身の表現をすると不自然になるため、基本的には「have」を使った第五文型・原形不定詞は受動態はないですね。
I had a hairdresser cut my hair.
→My hair was had to cut by a hairdresser.(美容師によって髪を切ってもらった、と言いたいところですが文法的に間違いです)
「let」もまた違ったニュアンスの使役動詞で、「主語 + let + 目的語(人)+補語の原形不定詞」にて、目的語(人)の動作や状態について止めようとせず自由にさせてあげようとの意志があります。
I let my sister eat anything.(妹には何でも食べさせます)
言わば、「let」は相手のしたいことや希望についてそのまま自由にさせておくイメージがあり、元の主語(I)が目的語(my sister)に何か強要している感じではないですね。
そのため、「let」でも「My sister is let to eat~」のように受動態表現だと不自然になるため、「have」と同様に受け身は使いません。
また、「help」は使役動詞とは別のカテゴリーですが、相手が〜するのを手伝うといった「〜させる」とは逆の意味での使役があるので、以下例文の通り第五文型で使えます。
I helped my colleague work.(同僚の仕事を手伝いました)
一つ重要なことで、「help」を使った第五文型では補語を原形不定詞にする場合もあれば、「I helped my colleague to work.」とto不定詞にして表現することも可能です。
大枠的には原形不定詞もto不定詞も同じような名詞的用法にはなりますが、厳密に言うと以下のような違いがあります。
そのため、例文に当てはめると原形不定詞の場合だと「最後まで仕事を手伝ってやったぞ」と、やり終えたことを強調しているのに対しto不定詞は「一緒にやっている」という過程が表現されています。
少々使い分けが難しいところですが、参考までに覚えておくと関連するto不定詞の意味合いもより理解できるようになりますので、意識しておくといいですね。
また、ほかにも原形不定詞を使うフレーズや日常英会話で使える表現がありますので以下でまとめました。第五文型の「help」と同じように、原形不定詞とto不定詞を両方使えるパターンもありますね。
「had better + 原形不定詞」で「〜した方が良い」と表現します。似たような意味で「should」もありますが、命令口調に近い「had better」と比較して、「should」は提案やアドバイス的なニュアンスがありますので、使い分けるといいでしょう。
You had better go to the hospital.(あなたは病院へ行った方が良いです)
You had better not go out.(外出しない方が良いです)
他の原形不定詞にも共通することですが、否定形にしたい場合には動詞の前に「not」を置く形になります。
また、構文で「All you have to do is~」の後に原形不定詞、またはto不定詞を置くことで「〜するだけで良い」と言います。
All you have to do is smile.(笑っているだけで良いです)
All we have to do is to be here.(私たちはここにいるだけで大丈夫です)
主語は「All you have to do」の部分ですが、正確には「All that you have to do」であり、「あなたがするべきこと」を関係代名詞の「that」が「all」を修飾したことで、「あなたがするべきこと全ては〜→〜をするだけで良い」という解釈になりますね。
また、映画のタイトルにもなっている「All You Need is Kill(オール・ユー・ニード・イズ・キル)」も「All you have to do is~」とほぼ同じような使い方をしており、「あなたが殺すだけでない・必要なのは殺すことだけ」との意味です。
※ただ、映画を観たことがある方にとって、「All you need is to be killed」とto不定詞で受動態にしたり、「All you need is die」の表現(殺す側でなく死ぬ側)の方が映画の内容を適切に反映されているのでは、と思うかもしれないですね。
▷関連記事:have toの使い方・意味について
それと、前置詞の「but」に付いたto不定詞・原形不定詞の用法もあります。わかりやすいのは「have no choice but to do~」で「〜せざるを得ない・〜するしかない」という構文ですね。
He had no choice but to study hard.(彼は一生懸命に勉強するしかなかった)
また、「do nothing but (to) do」も「〜するだけである」との意味になり、こちらはto不定詞だけでなく原形不定詞も使えます。
I did nothing but complain.(私は不平を言うだけでした)
前置詞など関連する文法も学習しておくことで、より原形不定詞の応用が効きますので関連記事もぜひチェックしてみましょう!
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